エボニックインダストリーズは5月17日、同社が戦略的変革の新たなステージに入ったと発表した。
同社では、サステナビリティをポートフォリオマネジメント、イノベーション、企業文化など、戦略のすべての要素に完全かつ体系的に取り入れている。同社のクリスチャン・クルマン取締役会長は、同社主催のキャピタルマーケットデーで、「『Leading Beyond Chemistry』というスローガンのもと、近年、当社は戦略的にも財務的にも順調に前進してきた。当社の変革における次の段階では、グリーン成長に的を絞った大規模な投資を行い、サステナビリティをイノベーションの原動力の柱として位置付ける」とコメントした。
同社のポートフォリオは、スペシャルティアディティブス、ニュートリション&ケア、スマートマテリアルズの3つの成長部門に完全に統合される。「戦略的な理由で撤退する事業は、明るい未来への責任ある道筋を示すために、最適な準備を整えている」とクルマン会長は述べている。パフォーマンスマテリアルズの3つの事業は、すでに撤退の準備が進められており、同社は、2023年中にこれら3事業の新たなオーナーまたはパートナーを見つけることを目指している。
パフォーマンスマテリアルズ事業の売却による収益と、今後数年間にわたる営業キャッシュフローは、グリーントランスフォーメーションに充てる予定となっている。同社は2030年までに、サステナビリティに優れた製品で構成される次世代ソリューションに30億ユーロ以上の投資を行うことを目指している。さらに7億ユーロをCO2排出を回避できる生産工程やインフラの最適化に投資する予定としている。
同社は、生産と加工に伴う直接的および間接的な温室効果ガスの排出量を大幅に削減することで、フットプリントの削減を目指している。次世代技術を利用して、同社はスコープ1、2のCO2排出量を、2030年までに現在の650万tから490万tまで25%削減する予定としている。次世代技術に7億ユーロを投資することで、同社は2030年までに年間1億ユーロ以上の運営コストを削減する予定としている。