住友ゴム工業は5月19日、水素添加ポリマーを用いた「性能持続技術」が、5月18日から20日にドイツ・ハノーバーで開催された「Tire Technology Expo 2022」内で開かれた「Tire Technology International Awards for Innovation and Excellence」において、優れた先進技術に贈られる「Tire Technology of the Year」を受賞したことを発表した
同社がこの賞を受賞するのは2010年の「第4世代ランフラットタイヤ技術」、2017年の「新材料開発技術ADVANCED 4Ⅾ NANO DESIGN」、2019年の「SENSING CORE」に続き4度目。5月18日に開催された授賞式には、Sumitomo Rubber Europe GmbHのマネージングディレクター、Dr Bernd Löwenhaupt氏が出席し、「サプライヤーや他の研究機関との共同研究による受賞であり、関係各位に感謝する。住友ゴムグループは持続可能な社会の実現に向けて、サステナビリティ長期方針を発表した。今後も研究開発活動を加速し、材料技術を応用したイノベーションで持続可能な社会の実現に貢献していく」と述べた。
「Tire Technology Expo」は、2001年より欧州で開催されているタイヤ製造等に関する技術発表・展示会で、タイヤメーカーをはじめ素材メーカー、公的研究機関などがその研究成果を発表し、5つの分野で優秀な技術を表彰するものだ。
「性能持続技術」は、タイヤの摩耗、経年による性能低下を抑制し、新品時の性能を長く持続させる技術だ。同社独自のAI技術「Tyre Leap AI Analysis」、および新材料開発技術「ADVANCED 4D NANO DESIGN」を駆使し、タイヤの摩耗や経年による性能低下のメカニズムを分子レベルで解明。これまでタイヤに用いていたポリマーとは全く異なる水素添加ポリマーを採用し「性能持続技術」を実現した。同社は安全性能と環境性能を一層高めたタイヤ開発および周辺サービス展開のコンセプト「SMART TYRE CONCEPT」を掲げており、「性能持続技術」はその核となる技術の1つだ。
今回の受賞について同社は、同社の材料開発における先進的な取り組みと、高い技術力が認められた結果であると考えているとのことだ。今後もこの技術の採用により、低燃費・グリップ・耐摩耗性能、および性能持続を高い次元で両立したタイヤを生み出し、持続可能な社会の発展に貢献していていくとした。