プラスチック機械特集 北川鉄工所 「APLCシリーズ」に注力 低価格で省スペース、省電力を実現

2022年05月30日

ゴムタイムス社

 「挑戦こそ、成長である」をモットーに1910年の創業以来ものづくりの最先端を追求してきた北川鉄工所(広島県府中市、北川祐治会長兼社長)。ゴム・ジョイントシート・樹脂業界には、ウォータージェットカッターを30年以上にわたり手がけている。顧客の改良点や改善点を解決する製品を開発し、多くの顧客と強固な信頼関係を紡いでいる。同社のウォータージェットカッターは、顧客ごとにカスタマイズした標準機と21年2月より販売を始めたバリューモデル「APLCシリーズ」をラインナップ。「標準機は5軸制御で複雑形状の加工ができたり、より高い水圧での加工ができるので、かなり厚めのゴム・樹脂も自在にカットできる点が強みになる」(同社)と強調する。
 一方、ウォータージェットカッターは「予てからより安価でコンパクトなエントリーモデルが欲しい」(同社)との声がユーザーから寄せられていたという。そうしたユーザーの要望に応えるべく、開発したのがAPLCシリーズだ。APLCシリーズは標準機の性能を保持したまま低価格を実現。また、省スペース(コンパクト)や省電力(省エネ)もAPLCシリーズの大きな特徴だ。
 さらに、APLCシリーズは①高性能なNC装置により、複雑な形状でも高速・高精度な加工が可能。②操作性を重視した15インチカラーLCDタッチパネル式を採用し、直感的な操作が可能。③入門者でも容易に扱える、シンプルな専用CAD/CAM「CutPartner Light」を搭載し、様々な形状や材質に対応する加工条件を簡単にデータベース化できる。④ジョイントシートの巻きぐせを短時間で取り除く装置などのオプションも揃える。これら機能により、3ミリ厚のジョイントシートの加工時間を比較すると、従来の4軸制御カッティングプロッターで約110分かかるものが、APLCシリーズでは4分の1以下の25分程度でカットできるという。ユーザー自身で消耗品交換を行える「メンテナンストレーニングサービス」を実施するなど、サポート体制の充実にも力を注ぐ。
 APLCシリーズは切断範囲によって1300mm×1300mm、同2000mm×1300mmの2機種を用意する。当初はカッティングプロッターを使う顧客の新規購入を想定していたが、新規購入だけでなく、「当社の5軸標準機をお持ちのユーザー様が、サブ工場での薄物加工にちょうど良いと、省スペース・省電力のAPLCシリーズを導入するケースもあり、販売は順調に推移している」(同社)と手応えを感じている。
 懸念される部品不足は「早め早めに部品を先行手配することで、お客様への納期対応を万全にしていく」(同社)方針だ。

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APLCシリーズ

 

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