日本触媒が共同プログラム参画 農工融合型GX技術開発へ

2022年05月26日

ゴムタイムス社

 日本触媒は5月25日、東京大学未来ビジョン研究センター(東京大学)を代表機関とする「共創の場支援プログラム(COI―NEXT)/ビヨンド・『ゼロカーボン』を目指す『Co―JUNKAN』プラットフォーム研究拠点」に参画し、CO2固定化能が高い多収性サトウキビを原料とした食料増産とグリーンケミカル製造を図る農工融合型のグリーントランスフォーメーション(GX)技術の開発に取り組むと発表した。

 世界的な人口増加に伴い1人あたりの耕作可能農地が過去50年で半減するなか、生態系を保持しつつ持続的な食料増産を行う必要がある。同時に、地球温暖化防止の観点から、バイオマス資源(農業・林業などの副産物)からバイオ燃料やグリーンケミカルを生産し、化石資源の消費を減少させることも求められている。

 COI―NEXTでは、これらの諸課題を個別最適化により解くのではなく、産業全体として同時に解決する新しい農工融合型GX技術の開発を行う。上流の農林業や食品産業が質・量ともに安定した副産物や間伐材等を排出し、下流のバイオマス産業がそれらを高付加価値製品に変換することで利益を創出し、上流産業へもその利益を還元することで、産業全体の経済的な強化による持続的発展を目指していく。

 同社は、COI―NEXTにおいて、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)および東京大学と共同でGX技術を検討する。具体的には、農研機構が開発したCO2固定化能が高い新品種の多収性サトウキビ、東京大学の先端発酵技術、日本触媒独自の触媒技術を融合し、グリーンケミカル製造技術の開発に取り組んでいく。

 同社は、COI―NEXTでの取り組みを通じ、農林業・食品産業・バイオマテリアル製造業との異業種連携・シナジーにより、それぞれの産業が持続的に発展可能な社会の実現に貢献していくとしている。

 

農工融合型グリーントランスフォーメーション技術の開発

農工融合型グリーントランスフォーメーション技術の開発

技術セミナーのご案内

ゴムタイムス主催セミナー