イノアック、開発に成功 バイオマスオレフィンフォーム

2022年05月30日

ゴムタイムス社

 イノアックコーポレーションは5月13日、生物由来原料を25%以上配合した国産バイオマスオレフィンフォーム「P・E―ライト AB―100F」の開発に成功したと発表した。

 「P・E―ライト AB―100F」は、「バイオマスマーク」を取得した同社の国産オレフィンフォームで、同社は、廃棄物となる生物資源から作られる「バイオマス資源パウダー」という原料を使用しつつ、石油由来原料品と同等の物性(8~15倍のポリエチレン発泡の硬度に近い物性)を維持することに成功した。

 「P・E―ライト AB―100F」の特長として、①カーボンニュートラルによるCO2排出量を約23%削減(材料由来)、②バイオマスマーク認定商品(認定番号210416)、③汎用品同等の物性、④幅広い用途例(自動車部品用通函部材/建材バッカー/玩具/スポーツ用品など)、の4点が挙げられる。

 持続可能な社会へ貢献するため、限りある資源を有効に活用することは、すべての企業にとって重要な活動となっている。近年、世界的な問題となったマイクロプラスチックによる海洋汚染や石油・化石資源の枯渇、廃棄物処理問題が国内外問わず社会課題となっており、迅速かつ的確な対応が化学メーカーに強く求められている。

 こうした社会課題に対し、同社は生物由来原料を使ったポリエチレンフォームの開発を進め、数年前より本格的な製品開発フェーズへとシフトしてきた。

 石油由来の製品と比較すると、「セルが粗い」「発泡しにくい(発泡倍率が上がらない)」「強度が弱く、品質が安定しない」といった課題があり、製品化が極めて困難な状況が続いていたが、「カーボンニュートラル」という考えと高分子素材のリーディングカンパニーとしての矜持のもと、同社は開発を進めてきた。

 同社はこれからも再生可能な材料や植物由来・生物由来の原料を用いた製品を積極的に開発することで、サステナブル社会の実現に貢献して行くとしている。

 

「P・E―ライト AB―100F」を開発

「P・E―ライト AB―100F」を開発

使用用途例

使用用途例

「P・E―ライト AB―100F」の生産イメージ

「P・E―ライト AB―100F」の生産イメージ

 

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