神戸市と小売・日用品メーカー・リサイクラーがつくる「神戸プラスチックネクスト つめかえパックリサイクルプロジェクトチーム」は5月30日、2021年10月1日より行っている神戸市内の75店舗に回収ボックスを設置して、つめかえパックの分別回収を実施する「神戸プラスチックネクスト~みんなでつなげよう。つめかえパックリサイクル~」の7ヶ月間の回収実績の報告と日用品メーカー3社の新加入を発表した。
同プロジェクトの回収量は開始から7ヶ月でつめかえパック3万3667枚、約580キログラム。「水平リサイクル」を目指すためにはまだまだ量は少ないものの、着実に回収量が増加しており、異物は毎月5%前後と少なく、総じてきれいに洗って回収ボックスへ持参されている状況としている。また、2022年4月よりクラシエホールディングス、サンスター、シャボン玉石けんの3社が加入し、同プロジェクトのメンバーは計19社となった。
同プロジェクトは神戸市と小売・ 日用品メーカー・リサイクラー(再資源化事業者)が、循環型社会の実現に向けて協働し、洗剤やシャンプーなど使用済みの日用品のつめかえパックを分別回収して再びつめかえパックに戻す「水平リサイクル」(フィルムtoフィルム)を目指すプロジェクトで、自治体と製造・販売・回収・再生に関わる複数の企業等が競合の垣根を超えて協働でつめかえパックの「水平リサイクル」を目指す、全国に先駆けた試みだとしている。 プロジェクト主体は神戸市で、参画メンバーは小売がウエルシア薬局、コープこうべ、光洋、ダイエーの4社、メーカーはアース製薬、花王、牛乳石鹸共進社、コーセー、 小林製薬、サラヤ、P&Gジャパン、ミルボン、ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング、ライオンと新たに加入したクラシエホールディングス、サンスター、シャボン玉石けんの13社、リサイクラーはアミタ、大栄環境の2社、協力・連携はクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)。
日用品の製品全体に占めるつめかえパックなどの比率は約8割と高く、プラスチック使用量削減に大きく貢献してきた一方、様々な特性を持つ多層構造のフィルムからなるため、生活者に身近なプラスチック製品にリサイクルされることが少なく、「水平リサイクル」は難しいとされてきた。同プロジェクトで回収したつめかえパックは、「水平リサイクル」の技術確立に向けた試験に活用するとしている。
同プロジェクトは6月1日からスタートする環境月間に向けて、使い終わった日用品のつめかえパック(洗剤・シャンプー・台所や住まいのお手入れ製品など)は捨てずに洗って乾かし、回収ボックスへ持参することを呼び掛けた。
取り組みとしてはポイントとして、①小売4社が全国最大規模の市内75店舗で回収し、初年度は年間5トン、将来は10 トンを目標とする、②店舗への配送戻り便等を活用して集約し、収集の効率化、環境負荷を低減、 ③日用品メーカー13社が、リサイクル試験を通じて課題や技術を共有し、「水平リサイクル」を目指す。また、よりリサイクルしやすい、つめかえパックの素材や形状等を議論、④水平リサイクルしたつめかえパックを製品として、市内店舗での実証販売を目指す、⑤アイデアを出し合い、市民に還元する様々なリサイクル製品も検討、の5点を挙げている。
回収対象はメーカーを問わず日用品の使用済みつめかえパック。回収に協力すると、市公式アプリ「イイことぐるぐる」を通じてつめかえパック1枚につき5円相当の50ポイントが1日3枚、1月10枚上限で付与され、イイぐるポイントは120社以上の各種電子ポイントに交換できる。