日本触媒、合弁会社設立へ LiFSI量産設備稼働目指す

2022年06月01日

ゴムタイムス社

 日本触媒は5月31日、同社とArkema(アルケマ)は、車載電池の主要原料である高純度LiFSI(リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド)の製造設備を欧州に建設するため、事業化調査を開始し合弁会社設立を目指すと発表した。

 高純度かつ高性能なリチウムイオン電池用電解質LiFSIは車載電池の主要原料であり、高温または低温条件下での充電時間を短縮し、出力特性、安定性、電池寿命、リサイクル性を大幅に向上させることで半固体および全固体電池を含む次世代電池開発を加速する。

 同プロジェクトは欧州の電池バリューチェーン発展を支援し、自動車業界における世界的なカーボンニュートラルの動きに対して貢献する。

 両社は、同社の高純度LiFSI工業生産に関する独自ノウハウとアルケマのフッ素化学における専門知識を組み合わせ、革新的で統合されたプロセス開発に繋がる戦略的パートナーシップを締結した。この最先端の特許技術に基づき、両社はアルケマのピエール=ベニット工場にLiFSIパイロット生産ラインを設置し、2021年に稼働に成功した。

 さらなる電池材料需要の急激な高まりに応えるため、同工場にて2025年末までにLiFSI量産設備稼働へ向け、両社は事業化調査を開始し合弁会社の設立を目指していく。

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