新たな難燃性PPA提供開始 BASF、優れた電気的RTI

2022年06月02日

ゴムタイムス社

 BASFは5月31日、高い熱安定性と優れた電気絶縁性、低吸水性を兼ね備えた様々な難燃グレードを、ポリフタルアミド(PPA)のポートフォリオに加えたと発表した。

 これらのグレードは、EN50642「欧州の環境規格」に準拠したハロゲンフリーでありながら、140℃以上の高い電気的RTI(相対温度指数)を特徴としており、湿潤条件下での使用における電気部品の腐食や故障を防ぐ。PA9T、PA66/6T、PA6T/66、PA6T/6をベースとした非ハロゲンPPAは、着色性の向上と長期の色安定性を実現する。こうした新たな難燃グレードとともに、同社は自動車、電化製品、家電製品の電力・データ伝送用コネクターや、e―モビリティの部品、小型サーキットブレーカー、スイッチギア、センサーなどの用途に新たな可能性を開く、独自の電気・電子ポートフォリオを提供する。

 4つの新たなPPAグレードすべてのULイエローカードにおいて、優れた電気的RTIが認定されており、様々な部品要件に応じた多様な性能レベルを提供する。グローバルPPA事業を率いるアブドゥラ・シャイフ氏は、「最適化された新たなグレードにより、当社の幅広いPPA FR(難燃系)ポートフォリオを、電気・電子材料に関するあらゆるニーズに対応するワンストップショップに発展させることができた。また、非ハロゲン系難燃剤を使用し、市場標準を上回るRTIを備えたグレードまで、従来の電気・電子部品に安定した熱的・機械的性能を備えるPPAを提供する。私たちはこのような形で、熱や湿気にさらされる繊細な部品の接触腐食の防止に用いられるハロゲンフリーの熱安定剤などの、新しいトレンドに対応している」と述べている。

 PPA製品群の難燃性材料はすべて、高温下でも高い機械的強度と誘電強度を維持する。また、低吸水性と吸水速度が遅いことや、熱膨張係数が低いことから、非常に優れた寸法安定性を示す。同社は難燃性PPAグレードについて、熱老化や長期使用後も機械的・電気的特性を維持し、電気・電子部品にメリットをもたらすとしている。

 

新たな難燃性ポリフタルアミドの提供を開始

新たな難燃性ポリフタルアミドの提供を開始

 

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