三洋化成工業は6月6日、ティエムファクトリが保有する世界初の透明断熱材「SUFA(スーファ)(Super Functional Air)」の技術のうち、太陽光集熱パネル事業に関する独占的実施権契約を締結したと発表した。
同社は、今後の大きな成長が見込まれる自然エネルギー分野に参入し、持続可能な環境資源である太陽熱エネルギーの活用を通じて、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献していくとしている。
「SUFA」は、ティエムファクトリと京都大学が開発した全く新しい断熱材で、高い断熱性能をもちながら、超軽量で高透明度といった特長がある。近年、省エネルギー対策の一環として太陽エネルギーの有効利用の重要性が再認識されている。透明な平版状で太陽光を通す「SUFA」を用いた太陽光集熱パネル(「SUFAパネル」)は、集熱面積が大きく、100℃以下の低温域でも効率よく集熱できる。また、一般的に平板パネルは高温域になるほど集熱効率が低下するが、「SUFAパネル」は放熱しにくいため、200℃までの高温域でも効率低下の程度が緩やかとなる。同社は、低温域から高温域まで、効率よく集熱することを活かし、既存技術よりも有効に太陽熱を利用するシステムを提供していく。
蓄えられた熱は、給湯、産業施設やビニールハウスなどの温調、工業プロセスの加熱など、さまざまな用途に活用が考えられる。
同社は、「SUFA」の優れた特徴と、同社の界面制御技術や製造技術などを融合し、「SUFAパネル」による高効率太陽光集熱システム事業を推進するとともに、新たな集熱システム開発を通して、カーボンニュートラルな社会の実現に貢献していくとしている。