ユニチカトレーディングは6月6日、同社のナイロン11繊維「キャストロン」が、日本バイオプラスチック協会のバイオマスプラ識別表示制度のポジティブリストに登録されたと発表した。これにより、「キャストロン」を使用した製品には「バイオマスプラマーク」を表示することができ、循環型社会への貢献をアピールすることが可能となった。
「キャストロン」はトウゴマから抽出されるヒマシを原料としたバイオマス100%の環境配慮型ナイロン11繊維で、軽量性、耐摩耗性といった特長を有している。スポーツウェア、アウトドアウェアのような衣料素材から、シューズ材などの資材まで様々な用途での使用が可能となる。また、原料であるトウゴマは、主にインドのクジャラート州で栽培されている。同地区はごく短期間の雨季を除いては降水量が少なく農作には不向きとされる土地柄だが、トウゴマの栽培は可能で、栽培農家の貧困改善にも貢献している。
日本バイオプラスチック協会(JBPA)は、循環型社会の実現に重要な役割を果たす「生分解性プラスチック」と「バイオマスプラスチック」の普及促進と、技術的な問題の解決を目的として設立された民間団体で、バイオマスプラ識別表示制度は、JBPAが定める基準を満たすバイオマス由来成分の割合(バイオマスプラスチック度)が確認され、かつ安全性の審査基準に合格した製品に「バイオマスプラ」の名称と「バイオマスプラマーク」の使用を認めている。認証される製品には、必ずポジティブリストに登録された原材料を使用する必要がある。
ユニチカグループでは、環境と共生するくらしの実現を優先課題の一つに掲げ、「for the EARTH」というテーマのもとグループ全体で製品づくりに取り組んでいる。同社では、「キャストロン」をはじめとした環境配慮型素材をより普及させていくことにより、持続可能な社会構築への貢献を目指すとしている。