ランクセス子会社サルティゴ 米プロビビ社と受託製造契約

2022年06月08日

ゴムタイムス社

 ランクセスは6月7日、完全出資子会社で受託製造会社のサルティゴが、米プロビビ社(Provivi)と昆虫フェロモンPheron E7―E/Z9―12Acの生産に関する契約を締結したと発表した。

 サルティゴは、業界をリードする受託製造メーカーとして作物保護産業向けにオーダーメイドのソリューションを提供している。プロビビ社は同社およびサルティゴとの契約に基づき、緊密に連携し合いながら、Pheron E7―E/Z9―12Acを生産するための技術移転、最適化、および生産規模の拡大を完了した。

 プロビビ社は、フェロモン技術を使用して持続可能な害虫管理システムを提供する農作物保護ソリューションのリーディングプロバイダーで、ヨーロッパブドウガとしても知られるロベシアボトラナを標的とする有効成分Pheron E7―E/Z9―12Acをグローバル規模で展開するための生産体制を刷新した。

 2021年、フランス食品環境労働衛生安全庁(ANSES)は、革新的な特許出願中のプロセスで製造されるプロビビ社の昆虫フェロモン製品Pheron E7―E/Z9―12Acの使用申請を承認した。同社は高い需要に対応するため、サルティゴのドイツ拠点において生産量を数十tにまで大きく増やしている。

 低コストのフェロモン開発により、プロビビ社は列条作物や木の果実、堅果、つる(TNV)のロベシアボトラナをはじめとする主要害虫を同時に駆除することができる。プロビビ社が生産するこの有効成分は、消費者にとっては製品に使われる農薬が減る、生産農家にとっては作物の被害が減るといったメリットがある。

 プロビビ社は、フェロモンをベースにした安全で効果的かつ経済的な交尾阻害製品であるPheron製品群を開発し、作物生産における害虫抵抗性管理の新しい基盤として代替技術を提供している。プロビビ社の特許取得済みの製造方法は、フェロモンの製造コスト削減につながり、トウモロコシ、米、大豆などの作付面積の広い作物に対しても使用可能となる。

 

レバークーゼンのサルティゴの生産拠点

レバークーゼンのサルティゴの生産拠点

 

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