帝人は6月8日、同社グループで自動車向け複合成形材料事業を展開するテイジン・オートモーティブ・テクノロジーズ(TAT)のGlass Fiber Sheet Molding Compound(GF―SMC)が、トヨタモーターノースアメリカ(TMNA)のピックアップトラック「タンドラ」2022年モデルのピックアップボックス(荷台)に採用されたと発表した。
同ピックアップボックスは、TATのセギーン工場(米国テキサス州)でTATのGF―SMCを成形するもので、2021年11月初旬に製造を開始している。
TATは、2004年よりメキシコのティファナ工場で、TMNAの「タコマ」向けに累計200万台のピックアップボックスを製造しており、優れた強度、耐久性、軽量性や品質・納期の管理体制など、その長期にわたる実績が高い評価を得ていたことから、今回の採用に至った。
TATのGF―SMCを使用した「タンドラ」のピックアップボックスには3種類の長さ(5・5フィート、6・5フィート、8・1フィート)があり、いずれもTATの独自の素材配合や成形技術により、ワンショットのプレス成形で製造される。軽量で、強度や耐久性に優れるため傷やへこみが発生しにくく、錆びないことから荷台を保護するベッドライナーが不要となる。
TATは、「タンドラ」向けにコンポジット製のテールゲートカバーも製造し、ピックアップボックスや車体後部の支柱(Dピラー)と組み立てた上でTMNAに供給する。
TATは今後も、自動車業界が求める軽量、安全で、エネルギー効率や耐久性に優れるコンポジット製部品をグローバルに提供する、世界有数のリーディングカンパニーとしての確固たる地位を確立していくとしている。また、成形工程の自動化などによる生産効率の向上や、バリューチェーン全体のライフサイクルにおけるCO2排出量削減に向けた技術開発などにも注力し、持続的成長に向けた収益基盤の構築を目指していく。