BASFは6月9日、シンガポールのジュロン島にある拠点で、既存の生産施設に設備を追加することにより、酸化防止剤Irganox(イルガノックス)1010の生産能力を拡大したと発表した。
Irganox1010はヒンダードフェノール系の一次酸化防止剤で、熱酸化分解からプラスチックを保護し、主にポリオレフィンに使用される。また、ポリアセタールやポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、PVC(ポリ塩化ビニル)、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)、さらにはブチルゴムや合成ゴムなどのエラストマーにも推奨される製品となっている。
同社アジア太平洋地域パフォーマンス・ケミカルズ事業本部のシニア・バイスプレジデント、ハーマン・アルトフ氏は、「生産能力を拡大することにより、需要の増加に対応し、お客様の成長計画をサポートできる。シンガポールへの投資は、フェノール系酸化防止剤のリーディングサプライヤーとしての当社の地位を明確に示している」と述べている。
同社はグローバルな生産ネットワークを有しており、アジア、欧州、北米、中東に生産拠点を持つ唯一のプラスチック添加剤サプライヤーとして知られる。
今回の増設に伴う能力拡大により、同社は顧客に対して今まで以上の柔軟性を提供し、確実な供給を実現することができる。シンガポールの増設から得られる能力は、主に急成長するアジア太平洋および中東の市場に供給される予定となっている。