UBEは6月10日、参天製薬(Santen)とUBEが同日、緑内障・高眼圧症患者を対象としたSTN1011700/DE―117(一般名「オミデネパグ イソプロピル」)の新薬承認申請(NDA)の再申請が、米国食品医薬品局(FDA)により8日(米国時間)に受理されたと発表した。処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)に基づくFDAの審査終了目標日は、2022年11月6日。
STN1011700/DE―117は、緑内障・高眼圧症の治療を目的として、SantenとUBEが共同開発している点眼剤であり、DE―117の有効成分であるオミデネパグイソプロピルは、選択的にEP2受容体に作用して眼圧下降作用を示す新規作用機序の化合物となっている。日本では2018年11月より「エイベリス点眼液0・002%」の名称で販売し、アジアでは順次販売承認を申請しており、2021年2月以降、韓国などで販売している。
緑内障は、視神経の障害により視野の欠損が起こる疾患として知られる。基本的に進行性で非可逆的であるため、早期発見・早期治療による視神経障害と視野欠損の進行抑制が治療上の重要な課題で、眼圧を下降させることが最も確実な治療法となる。緑内障は、日本での眼疾患による視覚障害(視力低下、失明)の主な原因となっており、アメリカでは300万人以上の人々が罹患し、2020年時点で世界では7600万人が罹患していると推測されている。両社は、より多くの治療選択肢を医療現場に提供することで、米国における患者のQuality of Life(QOL)の向上に寄与できることを期待するとしている。
なお、同再申請は2021年11月に受領したFDAからの審査完了報告通知(Complete Response Letter)における指摘事項への措置を講じて提出している。