SABICは6月21日、世界の電力へのエネルギー転換を加速し、気候変動に関する目標達成の支援を目的とした、材料、ソリューション、専門知識、各種プログラムのエコシステムとして「BLUEHERO」の取り組みを発表した。
同社のBLUEHEROの取り組みは、より優れた、より安全で、より効率的な電気自動車(EV)を開発するという、自動車産業の使命を支援することから始まり、同社独自の難燃性材料とソリューション開発における専門知識により、バッテリー構造部品の性能向上に重点を置いている。
同社のポリマー担当執行役員副社長であるAbdulrahman Al―Fageeh氏は、「私たちの戦略的なBLUEHEROの取り組みは、電力への移行を支援し、温室効果ガスの排出量を削減し、気候変動の対応に役立つ材料ソリューションへの投資、開発および提供に積極的に取り組んでいる。最初に自動車分野に注力するという決定は、この分野での進展が急務であることと、電気自動車への移行を支援し低炭素の将来に貢献することができる、確立した材料や能力を既に持っているという当社の強みを考慮したものだ。BLUEHEROは、我社が掲げる理念『Chemistry that Matters』を提供し、そしてより持続可能な未来を形づくるという当社の決意に基づき、クリーンエアエコノミーの実現に向けて業界が必要としている強力なソリューションを開発し提供する体制の強化を図っている」と述べている。
同社は、自動車業界がEVの性能をさらに高めるために、従来の材料(金属)よりも大きな利点をもたらすことができる、費用対効果の高い、技術的に高度な熱可塑性樹脂を提供している。例えばEVのバッテリー、電子部品や充電コンポーネントに樹脂を使用することで、軽量化や複雑なシステムの簡素化、走行可能距離の延長、設計自由度の拡大拡張、製造プロセスの合理化、リサイクル性、熱管理の強化や乗客の安全性向上といった複数のメリットを実現する事が出来る。
同社では、BLUEHEROの立ち上げによって電動化の推進に向けた集中的な開発や投資を通じ、熱可塑性樹脂製品の強化および拡大を進めていくとしている。