ゴム企業が加工技術をPR ものづくりワールドが開催

2022年06月30日

ゴムタイムス社

 機械部品、加工技術、3Dプリンタなどの企業が出展する世界最大級のものづくり専門展「第34回日本ものづくりワールド」が6月22~24日に東京ビッグサイトで開催された。ゴム樹脂関連企業は機械要素技術展や次世代3Dプリンタ展などに出展し、新製品や加工技術などを訴求した。
 ◆ダイセルミライズ
 大成プラスや中野製作所、ポリプラ・エボニックなど異種材接合で同社と協力する企業とで共同出展した。ダイセルミライズでは、異種材接合技術「DLAMP(ディーランプ)」や熱接着フィルムHMFを展示した。ディーランプはレーザを使用した完全ドライブプロセスにより、金属と異種材料を強固に接合する技術。中野製作所のブースでは、ゴムと樹脂、ゴムと金属など異素材の接合技術である「DLAMP」「Radicalock」「AKI―LOCK」の3種を紹介した。ラジカロックは狭小面でも強固に接着する上、シリコーンやEPDMなどの難接着材料にも結合が可能としている。

ダイセルミライズ

◆トヨックス
 ホースと継手の安心配管セットで「省エネ」「生産性向上」につながるテーマを顧客の現場改善につながる産業用ホースや継手を中心に出品した。新商品では、高温樹脂ペレット搬送用の「トヨトップ-E100℃ホース」を中心に訴求。自動車部品などを生産する樹脂成形工場では、エンプラ系プラスチック粉粒体の予備乾燥搬送工程で「熱」によるホースの折れやつぶれ、「摩耗」による穴あきや異物混入、「静電気」による原料詰まりなどが発生していた。「トヨトップ-E100℃ホース」は成形現場の課題を解消する商品として20年6月に発売。同社ではこれまで「大容量の流体搬送が可能な大口径サイズが欲しい」という現場ユーザーからの声が多かった。その声に応えるべく、今年3月には内径63ミリと75ミリの大口径サイズを追加。従来の32ミリ、38ミリ、50ミリと合わせ5サイズとした。

トヨックス

◆ホッティーポリマー
 3Dプリンター製品ならびにHPフィラメント(スーパーフレキシブルタイプ)のサンプル展示などを行った。3Dプリンターでは、LAM(液体積層造形法)シリコーン3Dプリンターの「innovatiQ LiQ320」の造形実演やサンプル品を展示した。
 開発中商品として一定の温度変化で造形品の色が変わる「示温性フィラメント3Dプリンター造形品」などを紹介。ブースでは冷水と温水のポットを使い、造形品の色が変わるデモ展示を行うなど「新たなニーズを探る場として役立てたい」(同社)と話していた。

ホッティーポリマー

◆司ゴム電材グループ
 子会社化したダイトウやイワキ金型、城西ゴム工業、ニッシンなど企業の製品を中心にPRした。工業用ゴム製品の製造販売や各種金属加工を手掛けるダイトウは、司ゴム電材が19年に子会社化。材料から製造、成形、出荷が一気通貫できるのが特徴で、デリバリーまでスピーディ対応が可能だ。

司ゴム電材グループ

◆鈴精機
 機械要素技術展の静岡県ブースに出展した同社は、ゴム金型や治工具の設計加工などを紹介した。ゴム金型は、インジェクション金型やコンプレッション金型など様々なゴム金型を製造している。また、短納期対応も同社の強みの一つで、「設計から金型製作、成型までの最短3日で顧客に届けられる」(鈴木忠利社長)と話す。ブースでは、ゴム金型で製作したグロメットや蛇腹などのゴム試作品などを出品した。

鈴精機

◆東商ゴム工業
  金型製作を依頼する石井精工(東京都墨田区)と協力し、ブースを出展した同社は、ゴムローラーやゴムスポンジローラーや開発中のオリジナルシリコーンゴム「フリーゴム」などを展示した。ゴムローラーでは開発中の「非粘着性ゴムローラー」をPR。素材はシリコーンゴムで離型性の高さが特徴の一つ。「小ロットでもお客様のニーズにお応えできるよう、社内体制を整えている」(末永大介社長)と語る。

東商ゴム工業・石井精工

◆石井精工
 自動車部品や医療用品など幅広いゴム金型設計・製造を行う同社はゴム金型で設計製造した3連・4連パッキンや医療用装置カバーなどを出品した。設計力の高さも同社の強みで、正確な図面などがなくとも手書きのイメージがあれば設計できるという。その他、精巧な切削技術を生かしたボタン型のピンズ「ALMA Aroma Pins」を出品した。ピンズの内側にアロマや香水を染み込ませ、香るアクセサリーとして使用できる。
◆アルケマ
 PEKK樹脂「KEPSTAN」やPA11粉体塗料「リルサン・ファイン・パウダー」などを出品した。KEPSTANは3Dプリンティングに使用可能な樹脂材料で、優れた耐薬品性・難燃性を持ち、高温度の使用を可能としている。頭蓋形状矯正ヘルメットや脳卒中者用の装具などの医療機器用途で、高精度での成型が可能なため、金属代替の検討に最適である。

アルケマ

◆イナバゴム
 同社オリジナル製品の感圧導電性ゴムセンサ「イナストマー」や内視鏡用「Gaglessマウスピース」などを出品した。イナストマーは従来絶縁体とされているゴムに、導電材を混ぜることで導電タイプにしたゴムセンサ。一般的な導電ゴムとは異なり、ゴムの弾性を生かすことで、イナストマーに変形を与えると電気抵抗値が低く、変形を戻せば高くなる特性を持ち、圧力変化によるゴムの変位に伴って電気抵抗値が∞から数Ω台まで変化する。なお、同製品は同時に複数の圧力変化の感圧に対応できる。

イナバゴム

◆旭化成
「発泡スチロール表面皮膜成形品」などの変性PPE樹脂と発泡ビーズの特性を併せ持った素材である「サンフォース」を使用した成型品を出品した。発泡スチロール表面皮膜成形品は、高い難燃性と耐熱性を有するサンフォースの特性を活用して、自動車や鉄道分野で板金からの置き換えを可能とするほどの耐久性がある。さらに、板金と比べて安価であることからコスト削減につながるとしている。

旭化成

◆高石工業
 ゴム材料「SPラバー」や「PFー703」、耐水素用Oリング「EPDM70・90」などを出品した。SPラバーは表面に滑らかな効果をもたらし、相手材との固着防止や摺動抵抗の軽減、グリスレスでの使用が期待できる機能性ゴム材料で、材質はNBR・EPDM・FKM(フッ素ゴム)の3タイプを取り揃えている。


◆朝日ラバー
 自然滴下型チェックバルブ「ARチェックバルブ」や高精度ゴムシート「AR超薄膜シリコーンシート」などを出品した。
 AR超薄膜シリコーンシートは溶剤希釈なしでの無溶剤製法で作製された低毒性、高透明性、高精度の特長を持つ最薄30μmの超薄膜シリコーンシートだ。バリエーションとして30μm、50μm、75μmの3種類を取り揃える。

朝日ラバー

 

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