ヒロテックは5月31日、大林道路、大蓉ホールディングス、海洋研究開発機構、大阪工業大学などと共同で、超潤滑・高強度でありながら難接着・難接合材料であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などフッ素樹脂とステンレス鋼板との直接接合についてレーザーを用いた新たな表面処理と接合技術の開発に成功したと発表した。さらに、氷点下30℃~175℃と幅広い温度環境下での使用でも、同技術による接合強度が維持されることを確認した。同社は、NEDOの「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」に取り組んでいる。
土木・建築業界ではダンプトラックを使った土砂などの運搬においてエネルギー消費量の大きさが課題となっており、同技術を活用した製品を荷台に設置することで付着残土を大幅に減らすことができ、運搬効率の向上による省エネルギー効果を実現できる。
今後、同技術を応用したマルチマテリアル化により、各種産業分野の課題である軽量化の実現や、寒冷地などさまざまな環境下での使用、さらに幅広い分野への適用が期待できる。
同社は、同事業での研究開発終了後、直ちに開発製品の量産を開始し、2022年3月に初出荷を完了した。大蓉ホールディングスは傘下の会社を販売窓口とし、まずは関東地方を中心に同製品の販売、車両への取り付けを行う。引き続き、ヒロテック、大林道路、大蓉ホールディングスの3社は、豪雪地帯での堆雪運搬をはじめとして同技術の適用範囲の拡大に向けた検討を重ねていく。また同技術を進化させるべく対象樹脂や金属種の拡大を図り、さまざまな分野の軽量化などの課題解決を実現し、さらなる省エネ化などへの貢献を目指す。