住友ゴム工業は6月23日、同社の市島工場と岡山タイヤテストコースでオオムラサキの羽化が始まったと発表した。オオムラサキは1957年に国蝶に選ばれ、現在は準絶滅危惧(NT)に指定されている。
市島工場は工場内に建てたケージの中で、2007年からオオムラサキの育成に取り組んでおり、2011年から毎年、近隣の幼稚園や保育所のお子さんを招待し、観察会を実施している。この活動を含む緑化・環境保全活動が認められ、2022年4月に「令和4年度緑化推進運動功労者内閣総理大臣表彰」を受賞している。
今年の観察会は6月17、20、23日に、近隣の認定こども園「あいいくの丘」と「いちじまこども園」の園児を招いて実施した。園児たちは、初めて見るオオムラサキに始めはこわごわとした様子だったが、慣れてくると目を輝かせ、キレイな蝶を熱心に観察していた。観察会の後は、工場に併設されたゴルフ科学センターを開放し、園児たちは、広い芝生の上を元気に走り回っていた。
また、市島工場の持つオオムラサキの育成に関する長年の経験と実績を生かし、2019年よりそのノウハウを岡山タイヤテストコースに提供している。拠点の枠を越え、協働でオオムラサキの育成に取り組んできたが、今年、その努力が実を結び、岡山タイヤテストコースでもオオムラサキの羽化に成功した。
同社は今後も環境保全や地域との共生を図るため、さまざまな活動を行っていくとしている。