リサイクル原料含有グレード 積水化成品、ピオセランに

2022年06月29日

ゴムタイムス社

 積水化成品工業は6月27日、自動車部材や部品輸送緩衝材として使われている「ピオセラン」にリサイクル原料を含有したグレードをラインアップしたと発表した。

 「ピオセラン」は、ポリスチレンとポリオレフィンをハイブリット化した複合樹脂発泡体で、発泡体の特性である省資源・軽量化に加えて、複合樹脂として耐衝撃性・耐薬品性・耐摩耗性などの特長を併せ持っている。自動車部材や部品輸送緩衝材として幅広く採用されているが、なかでも、各種部品の輸送資材として繰り返しの使用が可能なリターナブルBOXは、3Rのうち「Reduce(資源使用量の削減)」「Reuse(再利用)」の観点から、CO2削減につながる環境に配慮した製品として幅広く使用されてきた。

 近年では、持続可能な形で資源を再利用するサーキュラーエコノミーへの移行が世界の潮流となり、「Recycle(再資源化)」に対する取り組みの重要度が増している。そこで、この度、ハイブリット化した複合技術という特長を更に深化させ、新たにリサイクル原料を含有させた「ピオセラン」を開発し、販売を開始した。

 「ピオセラン」の特長としては、「使用済みのピオセランやポリオレフィンなど、リサイクル原料を含有した環境負荷低減製品」「バージン原料を使用した従来品と同様の物性を保持」「3R『Reduce』『Reuse』『Recycle』を体現した環境貢献が可能」の3点が挙げられる。

 同社グループは、持続可能な社会の実現に向けてSKG―5Rを実践し、CO2排出量削減とサステナブル・スタープロダクト(環境貢献製品)の創出を推進している。リサイクル原料を使用する素材の開発は、従来品と同等の性能を保持するために、さまざまな技術的課題を解決する必要となるが、同社では廃棄物削減の視点から重要であると認識している。今後も同社は、これまで培ってきた発泡や重合の保有技術を活かし、事業活動を通じた環境負荷低減の取り組みに努めていくとしている。

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