住友理工は6月29日、同社の鉄道車両用防振ゴムが、東海旅客鉄道(JR東海)のNEW特急ひだ「HC85系」に採用されたと発表した。
JR東海のHC85系は、新型特急として、7月1日より、JR高山本線名古屋駅~高山駅間で運行を開始する。
HC85系は、JR東海初となる「ハイブリッド方式」が採用されている。ディーゼルエンジンで発電した電力と、ブレーキ時などに発生するエネルギーによって充電される蓄電池の電力を組み合わせて走行する方式で、安全性・快適性の向上や環境負荷の低減などを図りつつ、ハイブリッド方式の鉄道車両として国内初の最高速度、時速120kmでの営業運転を実現させる。
同社の鉄道車両用防振ゴムは、鉄道車両の台車部分に取り付けられ、走行中の振動を低減する製品となっている。HC85系では、日本車輌製造で製作された台車N―QUALISシリーズ(NS台車)に、軸バネ円筒積層ゴムとリンク用のブッシュが搭載されている。台車にかかる荷重を支えつつ、軌道から伝わる振動を低減し、鉄道での安全な移動に貢献する。
同社は、旅客者の快適な移動の一翼を担うとともに、環境対応型鉄道車両への同社製品の供給を通して、脱炭素社会の実現に貢献していくとしている。