UBEは7月4日、今後のさらなる需要増加に対応するため、宇部ケミカル工場(山口県宇部市)内において高純度硝酸の工場増設を決定したと発表した。2024年初頭に試運転を開始し、生産能力は現在よりも50%増加する計画となっている。
近年、半導体の洗浄やエッチング工程に使われる高純度硝酸の市場は成長を続けている。同社は1986年の生産開始以降、国内の半導体市場の拡大に応じて段階的に生産能力を強化し、高いシェアを獲得してきた。今後も情報通信技術の著しい進展と、それに伴う旺盛な半導体需要が見込まれることから、同社は工場増設を決定した。
同社は5月に発表した中期経営計画「UBE Vision 2030 Transformation~1st Stage~」において、スペシャリティ事業に経営資源を重点的に投入するとともに、ベーシック事業の収益力強化に取り組む方針を掲げている。工業薬品に関しては2030年に向けて硝酸チェーンの最適化を図るとともに、高純度硝酸の更なる生産増強も視野に入れて事業の一層の伸長を目指していくとしている。