ランクセスは7月5日、亜麻とポリ乳酸をベースにした100%バイオベースの複合素材の提供開始を発表した。
同社は、循環経済を推進するため、事業活動におけるサステナビリティを重視している。現在、リサイクル原料やバイオベース原料などの再生可能な原材料を出発点として開発されている連続繊維強化熱可塑性プラスチック複合素材「テペックス」シリーズ製品は、その最新例となる。
例えば、開発が完了間近である「テペックスダイナライト」用のポリアミド6をベースにしたマトリックス樹脂は、「グリーン」なシクロヘキサンから製造されるため、80%以上が持続可能な原料で構成されている。その結果、このプラスチックはランクセスが新たな「スコープブルー」シリーズのために設定した要件を満たしている。この「スコープブルー」シリーズは、循環型(リサイクルやバイオベース)の原料を多く含む製品や、従来の製品よりもカーボンフットプリントが極めて小さい製品で構成されている。マトリックス樹脂を連続繊維で強化した半製品は、100%化石ベースの同等製品と同様の優れた特性を示す。したがって、グリーンなマトリックス半製品は、フロントエンドキャリア、シートシェル、バッテリコンソールなど、「テペックスダイナライト」に代表される軽量構造設計の用途に適している。
もう一つの新製品は、リサイクル材を最大80%配合した「テペックス」のバリエーションで、フォージドカーボン調のような表面加工が施されている。この製品に対応する部品は大理石を思わせる木目が特徴で、消費者廃棄物や産業廃棄物からの炭素繊維がベースになるため、リサイクル素材の比率が高くなっている。繊維は不織布として、または細断繊維マットとして使用される。ポリアミド6およびポリアミド66、ポリプロピレンまたはポリカーボネートのようなさまざまな熱可塑性プラスチックが母材として適しており、これらのプラスチックからなるリサイクル材料も使用することができる。