積水化学工業は7月6日、資生堂、同社と住友化学が、プラスチック製化粧品容器を回収し、分別することなく資源化、原料化を経て、容器として再生する一連の循環モデル構築に向けた取り組みを開始すると発表した。
化粧品容器は、中身の保護、使いやすさ、デザイン性が重視されるため多種多様なプラスチックから作られているが、それらの分別は難しく、プラスチック資源として循環利用する際の課題となっている。そこで、3社は互いの強みを生かして、プラスチック製化粧品容器の回収から再生までの新たな仕組みを構築することとした。
同社は、使用済みプラスチックなどの可燃性ごみを分別することなくガス化し、微生物の力でエタノールに変換する「BRエタノール技術」を用いて、プラスチックの原料であるエタノールへの資源化を行う。資生堂は、店頭を通じたプラスチック製化粧品容器の回収スキームの構築と、化粧品容器への再生ポリオレフィンの活用に取り組む。住友化学は、資源化したエタノールを原料にエチレンを製造する技術を用いて、従来の化石資源を原料とした製品と同等の品質を持つ再生ポリオレフィンを提供する。
3社が企業の垣根を超えて連携するとともに、関連する業界や企業にも参加を働きかけ、サーキュラーエコノミーの実現を目指していく。