タイヤ安全啓発活動を実施 TOYO TIRE

2022年07月08日

ゴムタイムス社

 TOYO TIREは7月2日~3日、東京都武蔵村山市のイオンモールむさし村山でドライブシミュレーターを活用した「タイヤ安全啓発活動」を実施した。
 同活動は、摩耗したタイヤや空気圧不足のタイヤでの走行など普段は想定していないシチュエーションを、ドライブシュミレーター上で疑似体験してもらうことで、ドライバーにタイヤの適正な取り扱いに関心を持ってもらうことを目的とした啓発活動。活動を開始した2019年から3年間で累計約2160名のドライバーが体験し、そのうち96%から「タイヤの安全に対する意識が高まった」との回答を得ている。今回は2日間で約200名がシミュレーターに搭乗し、タイヤの適正使用の重要性をドライバーに啓発した。
 ドライブシミュレーターは、同社が独自開発したコンピューター制御ソフトを搭載し、タイヤの摩耗度による雨天時の制動距離の違い、空気圧の違いでの操縦安定性比較、ハイドロプレーニング現象の発生、コーナーリング性能比較と摩耗タイヤ使用によるタイヤバーストの4つの項目をリアルに近い臨場感で体感してもらう体験型の啓発プログラムとなっている。
 今回4つの項目を体験してみたところ、大きな事故につながりかねない摩耗タイヤ使用時の運転性能の低下や日常でのタイヤ点検の重要性を体感することができた。
 まず雨天時の新品・摩耗タイヤの制動距離比較では、1・6ミリにまで摩耗したスリップサインが出ている状態のタイヤと新品のタイヤの順で直線のサーキットを60キロまで加速し、ブレーキポイントでブレーキペダルを一気に踏む状態での制動距離を比較した。
 新品タイヤでの制動距離はパイロン3本分であったのに対して、摩耗したタイヤではスリップが起こったことでパイロン4本分となり、パイロン1本分の差が生じる結果となった。タイヤの溝深さの違いで、雨天時の制動距離に差ができることを体感した。
 次に、空気圧の違いでの操縦安定性比較では、既定の半分の空気圧のタイヤ、適正な空気圧のタイヤの順で、サーキット中央に配置されたパイロンを避けながら走行して操縦安定性を比較した。
 適正な空気圧のタイヤではハンドルの応答が良かったのに対して、空気圧の低いタイヤだと安定性にかけており、パイロンに衝突しそうになる状況にも遭遇した。空気圧の違いによって操縦安定性が低下することを身に染みて感じることができた。
 3つ目のハイドロプレーニング現象体験では摩耗タイヤ、新品タイヤの順でサーキット両側に配置されたパイロンに沿って蛇行運転を行い、雨天時の高速走行を比較した。
 新品タイヤと比較して、摩耗タイヤではハンドルの自由が効きづらく、摩耗タイヤでの雨天時高速走行による危険性を体感した。
 最後に体感したコーナーリング性能比較とタイヤバースト体験では、雨天時の摩耗タイヤ、新品タイヤの順で一般道を想定したカーブの多い山道の坂道での走行比較と、摩耗タイヤ使用時のタイヤバーストを体験した。
 摩耗タイヤは排水性能が低いため、コーナリング時にハンドルを狙ったラインに曲げることができず、路側帯を飛び越えて木々に衝突してしまった。また、バーストが発生した状態ではハンドルの自由がほとんど効かなくなっていた。溝の深さの違いによりコーナーリング性能に大きな違いがあることや、摩耗タイヤ使用によるタイヤバーストの危険性を感じることができた。
 トーヨータイヤジャパンの森田学氏は、同活動について「一人でも多くのドライバーがタイヤ点検の重要性を認識して、1か月に一度タイヤ点検をしてもらうために、これからも継続して取り組んでいきたい」と意気込みを見せた。

 また、新型コロナウイルス感染症の影響で開催を中断している道の駅での無料タイヤ点検活動についても、「コロナが収束したら活動を再開していきたい」(同氏)としている。
 なお、同活動は全国のイオンモールで実施されており、今後も9月3日~4日にイオンモールりんくう泉南、9月17日~18日にイオンモール東員、10月1日~2日にイオンモール木曽川、10月15日~16日にイオンモール羽生で開催する。

ドライブシュミレーター

リアルに近い操作性で走行時の挙動を体感できるシミュレーター

展示されたバギー

全文:約1722文字

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