ランクセスは7月8日、自動運転支援システム用のレーダーセンサーに適したハウジング素材を開発したと発表した。
近年の自動車には、数多くの先進的な運転支援システム(ADAS)とそれに対応するセンサーが搭載されており、その数は増加の一途をたどっている。
「ランクセスにとって、ADASレーダーセンサーとそのハウジングは、ポリブチレンテレフタレート(PBT)およびポリアミドコンパウンドの重要な応用分野となる。これらの製品は、レーダー波に対する高い透過性、寸法安定性、レーザー溶着性、機械的特性など、車載用センサーを安全かつ強固に固定するための優れた特性を有している」と、同社HPMビジネスユニットのADASエキスパートであるクリストファー・ホフス博士は述べている。
ADASセンサーは、車両の周囲全体を監視する。それらの動作は、レーダーまたはレーザービーム(LiDAR)、超音波、または撮像技術の使用などの電磁波に基づいており、センサーハウジングに選択する素材に大きな影響を及ぼす。例えば、レドームとも呼ばれるレーダーセンサーハウジングの前面は、レーダービームを透過させることが不可欠となる。そのため、同社は、製品群の多くのコンパウンドについて、一方向の減衰、周波数と材料の厚さの関数としての特定の透過性と反射の測定を含む、広範囲な試験を実施している。
ハウジング用のプラスチックは、センサーの設置場所がどこであれ、加水分解に対して高い耐性を持つ必要がある。同社は、米国自動車技術会(SAE)の厳しいSAE/USCAR2 Rev・6長期加水分解試験でクラス4またはクラス5(最高評価)を達成する「ポカン(Pocan)XHR」シリーズのPBTコンパウンドを保有している。
「ポカンHR」シリーズのコンパウンドは、加水分解安定性への要求がそれほど厳しくない場合に適している。例えば、ガラス繊維強化コンパウンド「ポカンB3233HRLT」は、通常では両立させることが難しい、高いレーザー透過性と高温高湿環境下での優れた耐加水分解性を両立させている。