ランクセスは7月11日、米国のインターナショナル・フレーバー・アンド・フレグランス(IFF)グループが保有するマイクロビアルコントロール(微生物制御)事業の買収手続きを完了したと発表した。
2021年8月に発表されたこの買収取引の完了により、同社はマイクロビアルコントロール(微生物制御)製品の世界最大手サプライヤーの1社となった。さらに、物質保護剤、保存剤および消毒剤の抗菌有効成分および製剤のポートフォリオを大幅に拡充し、米国市場をはじめとするグローバルでのポジショニングの強化を推進する。同社は今回の買収に、暫定的な買収金額である約13億米ドルを支払った。
同社のマティアス・ツァハトCEOは、「この買収により、当社のコンシューマープロテクション部門はさらに大きく成長することになる。同部門は、グループ最強の部門として、ランクセスの今後の安定性と収益性をさらに高めるための重要な原動力となるだろう。今回、250人以上の優秀な従業員を迎え入れることができたことを大変光栄に思う。買収により得た事業の迅速な統合に全力を注いでいく」と述べている。
今回の買収完了に伴い、米国のルイジアナ州セント・チャールズとウェストバージニア州インスティテュートにある2つの生産拠点が同社の製造ネットワークに加わる。同事業は同社の物質保護剤ビジネスユニットに統合される。
同社の物質保護剤ビジネスユニットの責任者であるミヒャエル・シェーファー氏は、「ランクセスの現事業と買収により得た事業を組み合わせることで、マイクロビアルコントロール(微生物制御)とバイオサイド製品の有効成分から強力な製剤まで、幅広い製品および技術基盤を構築することができる。これにより、顧客のアプリケーションに基づいたさらに充実したソリューションを提供することが可能となる」と述べている。
今回の買収は、同社のマイクロビアルコントロール(微生物制御)製品ポートフォリオに完全に適合し、今後、戦略的なバイオサイド活性物質、関連法規に登録された豊富な実績、高いブランド力がもたらされることになる。