BASF、TPUを新たに開発 バスバーオーバーモールド用

2022年07月14日

ゴムタイムス社

 BASFは7月13日、バスバーホルダー用にエラストラン製品群から熱可塑性ポリウレタン(TPU)を新たに開発し、ポートフォリオを拡充したと発表した。エラストランR2600FHFは、標準的なエンジニアリングプラスチックと比較して、特に熱線膨張が最適化されていることが大きな特長となる。線熱膨張係数は銅や他の導電材料とほぼ同等で、これにより、温度変化によるクラック発生のリスクを低減し、安全性基準を向上させる。

 自動車は現在、内燃機関から電動パワートレインへの転換が進んでいる。充電部品からバッテリー、そしてバッテリーから電気モーターへ電気を送るため、高効率なバッテリーシステムがエレクトロモビリティの成功のカギとなる。電流の導電には、金属製のバスバーが使用される。プラスチック製のオーバーモールドがバスバーの電気絶縁性を確保し、高電圧電流の安全な分散を実現する。

 さらに、エラストランはハロゲンフリーの難燃材料であり、UL94 V―0に分類される。熱線膨張という特徴に加え、TPUはポリフェニレンサルファイド(PPS)などの素材と比較すると、3つの明確な利点がある。より低い温度で加工でき、密度が低く、そして白色であることから鮮やかな顔料でも容易に着色できる。

 また、同社はバスバーホルダーの設計をシミュレーションすることができる。同社のパフォーマンスマテリアルズ事業本部E&E部門セグメントマーケティングマネージャーのトーマス・バイヤール氏は、「他のいくつかのエラストラングレードと同様に、新しいエラストランも、当社のウルトラシムツールでシミュレーションを行うことができる。私たちはこのツールを使って、お客様の部品設計をサポートしていく。その結果、開発工数を削減できるだけでなく、材料の物性を最大限に引き出すことが可能となる」と述べている。

 同社は、エラストランで作られたバスバーホルダーは機械的加工性の高さによって電動車両の量産化に貢献し、未来のモビリティを実現するうえで重要な役割を果たすとしている。

 

エラストランR2600FHF製のバスバーホルダー

エラストランR2600FHF製のバスバーホルダー

 

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