合繊糸・綿・不織布を値上げ 東レ、7月出荷分から

2022年07月14日

ゴムタイムス社

 東レは7月13日、衣料用・産業用の各分野へ販売するナイロン6糸(長繊維)・綿(短繊維)、ナイロン66糸(長繊維)・綿(短繊維)、ナイロンBCF糸(長繊維)、ポリエステル糸(長繊維)・綿(短繊維)、アクリル綿(短繊維)およびポリエステル長繊維不織布について、7月出荷分から価格改定を実施することを発表した。

 価格改定幅は、衣料用ナイロン6長繊維・短繊維は+50円/kg、衣料用ナイロン66長繊維・短繊維は+80 円/kg、産業用ナイロン6長繊維・短繊維は+50円/kg、産業用ナイロン66長繊維・短繊維は+80円/kg、ナイロンBCF糸は+50 円/kg、衣料用ポリエステル長繊維は+30円/kg、産業用ポリエステル長繊維は+30 円/kg、ポリエステル短繊維は+30 円/kg、アクリル短繊維 +20 円/kg、ポリエステル長繊維不織布は+30 円/kg。

 同社が購入している合繊(ナイロン6、ナイロン66、ポリエステル、アクリル)用の粗原料価格は、世界的な景気回復に伴う需要増加と、ロシア・ウクライナ情勢による供給懸念を背景とした昨年来の原油価格の高止まりに加え、4月以降の急激な円安進行の影響により、過去 3 カ月で 10 ~ 30%程度上昇している。また、粗原料以外でも、副資材、燃料エネルギー、運輸費等も含めて、昨年来あらゆる価格の上昇に歯止めがかからず、各合繊の製造コストは、今後も一層の上昇が見込まれる。このような環境下、同社は中期経営課題「プロジェクト APーG 2022」において「トータルコスト競争力強化プロジェクト(NTCプロジェクト)」を推進中であり、固定費および比例費のあらゆる項目について、徹底的な削減と効率化による自助努力を続けてきた。しかしながら、足下の各種コストの上昇は、これらの努力で吸収できる範囲を超えており、安定した品質での商品供給や、高付加価値品の開発といった生産基盤の維持のために、今回の値上げ実施を決定した。
 21年12 月および22年 3月に続き、短期間で3 回目の値上げとなるが、取引先をはじめ関係者の理解を得ながら、確実に進めていくとしている。

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