日本ゼオンは7月22日、2021年夏より水島工場(岡山県倉敷市)にて進めていた合成香料の主力製品であるリーフアルコールの能力増強工事がこのほど完工し、7月22日に現地にて竣工式を執り行ったと発表した。今回の能力増強により同製品の年間生産能力は1600tへと拡大される。9月から本格生産を開始する予定。
リーフアルコール(cis―3―Hexenol)は、新緑の若葉のような香りを持つ合成香料であり、青葉アルコールとも呼ばれている。フレッシュ感を演出するグリーン系香料として、香水やシャンプー、石鹸などのフレグランス用途および清涼飲料や菓子などのフレーバー用途として幅広く利用されている。
今回の能力増強は、フレグランスおよびフレーバー用途における安定的な市場成長が見込まれることから、同社は2021年より工事を進めてきた。今後は試運転を行い、9月から本格生産を開始する予定としている。
7月22日に行われた竣工式には、同社の渡辺誠執行役員水島工場長のほか工場関係者らが出席した。新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、田中公章代表取締役社長ほか同社関係者はリモート参加とした。施主代表として、田中社長より「今回の設備増強は当社の将来にとって非常に重要であり、今後高まる市場ニーズにさらにお応えすることが可能となる。今後も安定・安全生産により高品質な製品を世界中にお届けしていきたい」との挨拶があった。
同社は、今後も市場ニーズにマッチする高品質な製品を届けていくとともに、香り豊かな暮らしの演出に貢献していくとしている。