ランクセスは7月26日、ドイツ・ドルマーゲンにある技術センターの設備をアップグレードし、ドイツのゲーレッツリートに本社を置く先進的なプラスチック溶接機メーカーであるポリマージ社の、広範な機器と最新技術を備えたレーザー溶接機を導入することを発表した。
同社ハイパフォーマンスマテリアルズ(HPM)ビジネスユニットの溶着技術専任者であるフランク・クラウス氏は、「この優れた汎用性をもつ装置によって、新たなレーザー溶接材料を開発し、より迅速に製品の量産化に対応できると考えている。また、お客様の生産環境を再現することで、より迅速かつ集中的にお客様を支援することができる」と述べている。
通常、レーザー光は、その下で受けるカーボンブラックの部品に吸収され、その界面でレーザー光エネルギーは局所的な溶融を引き起こす。この工程で発生する熱により、部品の表面も可塑化する。二つの材料が圧力下で溶け合うことで溶着し、材料溶接を形成する。通常、この方法は、カバーを筐体に溶接する際に使用されている。振動や超音波のような従来の接合技術と比較し、筐体内の電子部品が熱的、機械的な応力の影響をほとんど受けないことがレーザー透過溶接の利点となっている。
クラウス氏は、「複雑な形状の超小型部品をコスト効率良く、かつ物理的な影響を最小限に抑えて量産することも可能となり、電気・電子機能の小型化の流れに対応している」とコメントしている。この新しい装置は、波長1080nm、出力300Wのイッテルビウムファイバーレーザーを使用している。
同社は、小型・大型の電子機器筐体におけるレーザー透過溶接中の典型的な条件を再現するために、試験片を既に開発しており、例えば、溶接線の形状や半透明部品の壁の厚さを規定するために使用することができる。
また、ドルマーゲンのプラスチック技術センターには、超音波、赤外線、振動溶接装置など、さまざまな設備が導入されている。すべてのサービスは「ハイアント」ブランドに紐づいており、顧客の基準に準拠して実施される設計やレイアウトから完成品試験まで、コンポーネント開発プロセス全体を網羅している。