Oリングの生産能力を増強 NOK、ベトナム拠点に投資

2022年07月28日

ゴムタイムス社

 NOKは7月26日、自動車生産に欠かせない機能部品「Oリング」の需要拡大に伴い、ベトナム・ホーチミン市近郊にあるVietnam NOKの工場に約35億円を投資し1・4倍に増築、生産能力を増強したと発表した。7月25日に増築棟の落成式が行われ、本格稼働した。

 自動車生産に欠かせない重要部品「オイルシール」の世界トップシェアメーカーである同社は、サプライチェーンの分断回避に向け、地震や台風、大雨など自然災害が多発する日本国内に集中していた生産体制の海外への分散を進めてきた。2016年の熊本地震では同社の熊本事業場も被災し、建屋や生産設備に大きな損傷はなかったものの、電力等のインフラが滞り製造が一時的停止に追いやられた。そういった経験から、生産拠点分散のさらなる必要性が高まっていた。

 同社は今回、さらなる自動車産業からの需要拡大を受け、ベトナム工場の敷地面積を現在の約1・4倍となる4万4000㎡に増築し、主力部品「Oリング」の生産スペースを約2倍の2万4000㎡に拡張した。

 増築棟では、製造現場のスマートインフォメーション(デジタル診える化)を推進し、「早期の異常発見・対策」「トレーサビリティ(原材料の調達、生産、消費、廃棄に至るまでのプロセスを追跡)」を強化する。また、従業員出入口に2輪用の顔認証自動ゲート設置(渋滞緩和、セキュリティ強化や食堂のIT化(配膳数管理による廃棄ロス活動)なども進めている。

 自動車産業は、ハイブリッド車や電動EV車など、多様化するモビリティに対応し、需要が急伸している。また、新型コロナウイルスの感染拡大により、公共交通機関の安全性に対する懸念が長引く状況と相まって、自動車は感染リスクの低い「安全な移動空間」として定着している。さらに、自動車メーカーを悩ます半導体不足が緩和の方向に向かい、生産量の増加が期待される。

 

落成式 テープカットの様子

落成式 テープカットの様子

鶴正雄NOK代表取締役社長執行役員

鶴正雄NOK代表取締役社長執行役員

吉田直文Vietnam NOK代表取締役社長

吉田直文Vietnam NOK代表取締役社長

NOK工場外観

NOK工場外観

NOK工場内観( Oリング生産ライン)

NOK工場内観( Oリング生産ライン)

2輪用の顔認証自動ゲート

2輪用の顔認証自動ゲート

オイルシール

オイルシール

Oリング

Oリング

 

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