信越化学工業の23年3月期第1四半期連結決算は、売上高が6567億700万円で前年同期比51・2%増、営業利益は2496億2000万円で同93・8%増、経常利益は2626億3300万円で同100・7%増、四半期純利益は1841億2400万円で同92・3%増となった。
セグメントのうち、生活環境基盤材料事業の売上高が2897億円で同84・4%増、営業利益は1285億円で2・9倍増。塩化ビニルの需要は4月まで堅調に推移し、5月に入りアジア地域で調整が見られた。一方、か性ソーダ市況は底堅さを維持した。俊敏でかつきめ細かい販売に努め、工場の定期修理期間を除き、米国シンテック社を始めとする全拠点でフル操業を継続した。
電子材料事業は、売上高が2111億円で同31・0%増、営業利益は775億円で同36・6%増。昨年度大きく伸長した半導体市場は、第1四半期もその勢いを継続した。顧客からの強い需要に応えるべく、同社はシリコンウエハー、フォトレジスト、マスクブランクス等の半導体材料を最大限出荷した。希土類磁石は、中国のロックダウンや半導体不足による顧客の操業制限にも関わらず旺盛な需要があり、できうる限りの操業と出荷を行った。
機能材料事業は、売上高が1251億円で同36・5%増、営業利益は367億円で同61・6%増。車載用途、パーソナルケア及びヘルスケア用途を大きく伸長させることができた。加えて、特徴のある製品を数多く上市して、販売増を図った。
加工・商事・技術サービス事業は、売上高が306億円で同25・9%増、営業利益は70億円で同31・1%増。半導体ウエハー関連容器は出荷用、工程内用ともに販売順調で、自動車用入力デバイスの販売も好調だった。食品包装用塩ビラッピングフィルムや建設資材など塩ビ関連製品の価格改定を実施した。
2023年3月期の通期の連結業績予想は、売上高は2兆5500億円で前期比22・9%増、営業利益は8250億円で同22・0%増、経常利益は8400億円で同21・0%増、当期純利益は5880億円で同17・6%増を見込んでいる。