三洋化成は7月28日、高い熱伝導性と低粘度で高い流動性を両立した熱伝導性材料「絶縁性ウレタン放熱ギャップフィラー」を開発したと発表した。新開発品は二液混合により室温で硬化するウレタン系の熱伝導性材料。同社では既にサンプルワークを開始しており、2~3年後の製品実用化および販売開始を目指す。
新開発品は基板表面の微細な凹凸に追従し、発熱体から発生する熱を効率よく伝えることができるため、小型化、高性能化、高機能化が進む電子機器の熱対策に貢献できる。加えて、加熱を嫌うコンデンサーや、絶縁性が求められる電子部品への適用が可能で、非シリコーン設計で低分子シロキサンによる導通不良等の心配がないことから、車載用リチウムイオンバッテリー用途などの様々な電子機器へも応用も可能となる。
近年の電子部品は従来以上の高度な熱対策が求められている。その対策の一つとして用いられる熱伝導性材料では、自動実装を導入しやすく、自由な設計を可能にする放熱ギャップフィラーの需要が拡大している。また、放熱ギャップフィラーには、高熱伝導性と高流動性の両立が求められており、同社では独自の界面制御技術と長年培ったウレタン樹脂物性の制御技術を組み合わせることでこれらを両立した放熱ギャップフィラーの開発に成功した。
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