積水化成品工業の2023年3月期第1四半期決算は、売上高が284億4100万円で前年同期比0・5%減、営業損失は6億5800万円(前年同期は1億8200万円の利益)、経常損失は3億2000万円(同2億5100万円の利益)、四半期純損失は5億6900万円(同1億2000万円の利益)となった。
ヒューマンライフ分野の売上高は119億8500万円で同8・7%増、セグメント損失は6700万円(同5億7100万円の利益)となった。
主力製品の「エスレンシート」(発泡ポリスチレンシート)の売上数量は、テイクアウト容器用途の需要はやや減少、スーパーなど生鮮食品容器用途等にも落ち着きが見られるが、即席麺用途が好調に推移し、全体では前年同期並み。「エスレンビーズ」(発泡性ポリスチレンビーズ)の売上数量は、クッション用ビーズなどのライフグッズ用途が前年の需要増から落ち着き、水産分野も低調で全体では減少した。
利益面では、原価低減や固定費削減に取り組むと共に、価格転嫁を行ったが、急激な価格高騰に対して遅れを生じ大幅な収益圧迫要因となり、また4月に同社大分で発生した火災事故対応として、他工場での増産でカバーしたが、製品等の配送運賃の発生もあり、損失となった。
インダストリー分野の売上高は164億5600万円で同6・3%減、セグメント損失は3億4100万円(同2億5600万円の損失)となった。モビリティ領域では、部品梱包材用途での伸長が継続したものの、自動車部材用途では世界各国での半導体をはじめとした部品不足による自動車メーカーの減産と中国各地でのロックダウンの影響を受け、「ピオセラン」(ポリスチレン・ポリオレフィン複合樹脂発泡体)の販売は伸び悩んだ。
エレクトロニクス領域では、「テクポリマー」(有機微粒子ポリマー)は液晶パネル等の光拡散用途での需要は堅調に推移した。一方、パネル搬送資材・梱包材用途での「ピオセラン」は他素材との競争激化、液晶パネルの在庫調整などの影響により中国、台湾等における需要が低調に推移した。
通期の連結業績予想は直近に公表されている数値を修正し、売上高が1250億円で同6・3%増(前回発表から据え置き)、営業利益が9億5000万円(同8億5000万円減)で同35・1%減、経常利益が10億8000万円(同5億2000万円減)で同23・0%減、純利益は1億円(同8億円減)を見込んでいる。
2022年08月03日