増収もコスト増で減益に デンカの4~6月期

2022年08月05日

ゴムタイムス社

 デンカの23年3月期第1四半期連結決算は、売上高が943億6900万円で前年同期比8・8%増、営業利益は49億200万円で同36・7%減、経常利益は51億4800万円で同31・6%減、四半期純利益は43億3700万円で同29・6%減となった。
 利益面では、交易条件が悪化したほかスペシャリティー化進展のためのコストの増加もあり減益となった。
 セグメントのうち、エラストマー・インフラソリューション部門は、売上高が303億9400万円で同23・8%増となったものの、営業損失は1億8700万円(前年同期は5200万円の営業利益)となった。
 クロロプレンゴムは需要が堅調に推移したほか、販売価格の見直しを行い増収となり、肥料の販売も前年を上回った。このほか、特殊混和材の販売は概ね前年並みとなったが、セメントは原燃料価格の上昇に対して価格転嫁が一部に留まった。
 ポリマーソリューション部門は、売上高316億3000万円、同0・4%減、営業損失は1億2100万円(前年同期は25億6600万円の営業利益)となった。
スチレン系製品は原燃料価格の上昇に応じた販売価格の改定を行い、数量面ではデンカシンガポール社のMS樹脂はテレビやモニターの需要減があったが生産能力を増強したことから前年を上回った。
 ABS樹脂や透明樹脂は自動車減産や中国経済減速の影響を受け減少し、スチレンモノマーは定期修繕を実施したことから出荷減。このほか、食品包材用シートおよびその加工品は概ね前年並みとなり、合繊かつら用原糸“トヨカロン”の販売は前年を下回った。
 通期の連結業績予想に変更はなく、売上高は4550億円で前期比18・2%増、営業利益は430億円で同7・2%増、経常利益は410億円で同12・4%増、当期純利益は290億円で同11・5%増を見込んでいる。

 

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