帝人の2023年3月期第1四半期連結決算は、売上高が2438億3400万円で前年同期比7・9%増、営業利益は107億7100万円で同37・6%減、経常利益は142億8700万円で同22・6%減、四半期純利益は72億7000万円で同25・8%減となった。
セグメントのうち、マテリアル事業領域の売上高が1074億円で同12・1%増、営業利益は7億円の損失(前年同期は21億円の利益)となった。自動車用途・航空機用途を中心に需要堅調で販売量が増加。為替影響による収益押し上げ効果はあったものの、中国ロックダウンによる工場稼働率低下、原燃料価格高騰および物流費増等が収益に影響した。アラミド繊維は増収・増益。需要は旺盛も紡糸工場の生産工程不調等により在庫が逼迫し販売量減少した。前年同期の大型定修実施からの操業度改善や為替影響が収益に貢献した。天然ガス価格上昇がコストに影響しており、販売価格改定を実施した。樹脂は減収・減益。中国ロックダウンを受けて、工場の稼働率が低下し販売量が減少した。炭素繊維は増収増益。用途全般において需要は堅調だった。航空機向けの販売量が増加したことにより、販売構成が改善した。主原料であるANの価格高騰を受けて販売価格改定を実施した。複合成形材料は増収減益。米国での消費者の自動車購買意欲は引き続き堅調に推移した。半導体を含む原材料や部品の不足等により、OEMの生産休止が継続したものの、新大型プログラムの販売本格化もあり、販売量が増加した。原材料価格の高騰が継続しており、引き続き販売価格改定交渉を実施した。電池部材は増収増益。セパレータのスマートフォン向けの需要が好調で、新規モデルへの採用も進展した。
23年3月期通期の連結業績については、売上高が1兆円で前期比8・0%増、営業利益は500億円で同13・1%増、経常利益は520億円で同4・6%増、当期純利益は280億円で同20・9%増を見込んでいる。
2022年08月10日