クレハの2023年3月期第1四半期決算は、売上収益が492億8000万円で前年同期比30・2%増、営業利益は81億4500万円で同91・4%増、税引前四半期利益は85億1900万円で同95・4%増、四半期利益は54億6000万円で同65・3%増となった。
セグメント別に見ると、機能製品事業は売上収益は244億9200万円で同72・0%増、営業利益は56億4900万円で同481・3%増となった。機能樹脂分野では、リチウムイオン二次電池用バインダー向けのフッ化ビニリデン樹脂、PPS樹脂、シェールオイル・ガス掘削用途向けのPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品、その他の樹脂加工品等の売上げが増加したことから、この分野での売上、営業利益はともに増加した。炭素製品分野では、高温炉用断熱材および自動車部品用摺動材向けの炭素繊維の売上は前年同期並みとなり、この分野での売上、営業利益は前年同期並みとなった。
化学製品事業では、売上収益は66億2500万円で同24・4%増、営業損失は3億4800万円(前年同期4700万円の損失)となった。
農薬・医薬分野では、農業・園芸用殺菌剤の売上げは増加し、この分野での売上は増加したが、慢性腎不全用剤「クレメジン」の売上げは減少したため、営業利益は減少した。工業薬品分野では、無機および有機薬品類の売上げが増加したが、原燃料価格高騰の影響により営業損失は増加した。
樹脂製品事業では、売上収益は119億1200万円で同6・2%増、営業利益は20億9400万円で同9・0%減となった。
コンシューマー・グッズ分野では家庭用ラップ「NEWクレラップ」およびフッ化ビニリデン釣糸「シーガー」の売上は減少し、この分野での売上げ、営業利益はともに減少した。業務用食品包装材分野では、熱収縮多層フィルムおよび塩化ビニリデン・フィルムの売上が増加し、この分野での売上、営業利益はともに増加した。
23年3月期通期連結業績予想は、売上収益が1800億円で同6・9%増、営業利益は220億円で同9・2%増、税引前利益は220億円で同7・9%増、当期利益は160億円で同13・0%増を見込んでいる。
2022年08月16日