ADEKAの2023年3月期第1四半期決算は、売上高が1017億1800万円で前年同期比21・1%増、営業利益は90億6000万円で同1・4%増、経常利益は104億3700万円で同12・9%増、四半期純利益は61億3700万円で同3・1%増となった。
化学品事業の売上高は555億9700万円で同15・8%増、営業利益は72億100万円で同1・9%増となった。
樹脂添加剤の自動車向けでは、半導体不足等による減産の影響を受け、核剤、ゴム用可塑剤の販売数量が前年同期を下回ったが、販売価格の改定により増収となった。建材向けでは、北米で床材をはじめとする住宅内装材の需要が継続し、塩ビ用安定剤の販売が好調に推移した。また、錫価格の高騰や東南アジアにおける鉛系安定剤の規制強化を背景に、インフラ用途で重金属フリー安定剤の販売が好調に推移した。 プラスチック製品に広く使用される酸化防止剤は、競合品の供給トラブル解消による競争激化もあり販売数量が前年同期を下回ったが、販売価格の改定により増収となった。難燃剤は、家電やパソコン等の需要の落ち込みにより、筐体等に使用されるエンジニアリングプラスチック向けの販売が低調だった。樹脂添加剤全体では、原料価格高騰の影響を受けたが、販売価格の改定と為替の影響もあり、前年同期に比べ増収増益となった。
情報・電子化学品の半導体向けでは、デジタル化の進展を背景に最先端のDRAMに使用される高誘電材料の販売が好調に推移した。また、NAND向け製品の販売も堅調に推移した。EUVやArF等の最先端のフォトレジストに使用される光酸発生剤の販売が堅調に推移した。情報・電子化学品全体では、半導体材料の販売拡大により前年同期に比べ増収となったが、利益面はディスプレイ関連材料の販売数量減少が影響し減益となった。
機能化学品の自動車向けは、半導体不足等による減産の影響を受け、国内需要が落ち込んだが、米国を中心とした海外需要の増加により、エンジンオイル用潤滑油添加剤や構造接着用特殊エポキシ樹脂の販売が好調に推移した。化粧品向け特殊界面活性剤は、国内外で市況が緩やかながらも持ち直し、販売が回復した。
食品事業の売上高は202億9500万円で同13・2%増、営業損失は8億7400万円(前年同期は2億7700万円の営業利益)となった。
ライフサイエンス事業の売上高は240億1400万円で同45・5%増、営業利益は25億4600万円で同80・0%増となった。
22年3月期通期の連結業績予想は、期初予想から売上高を上方修正し、利益は据え置いた。売上高が4200億円(前回発表から140億円増)前期比16・3%増、営業利益が370億円で同8・7%増、経常利益が369億円で同3・5%増、純利益が220億円で同7・1%減を見込んでいる。
2022年08月16日