ブリヂストンは8月8日、モーターサイクル用タイヤのプレミアム商品供給拡充・戦略強化に向けて、那須工場への設備投資を決定したと発表した。総投資額は約17億円。2026年より順次拡充し、プレミアムモーターサイクル用タイヤの生産能力を年間約9万本増強する予定。
同社グループは、「断トツ商品」であるモーターサイクル用プレミアムタイヤブランド「バトラックス」のタイヤで、プレミアムモーターサイクルを支えてきた。またモータースポーツ活動においては、2002年から2015年のMotoGPの参戦を通じて技術を磨き、現在もFIM世界耐久選手権などのモータースポーツイベントを支えている。
8月4日~7日に三重県の鈴鹿サーキットで3年ぶりに開催された「2022FIM世界耐久選手権『コカ・コーラ』鈴鹿8時間耐久ロードレース第43回大会」では、同社は19チームを「バトラックス」でサポートし、ブリヂストンタイヤ装着チームの15連覇という偉業達成に貢献した。こうした活動を通じてタイヤの限界性能を向上する技術を追求し、プレミアム領域における新車装着率はグローバルナンバー1のポジションを獲得している。
同社は今後、さらにプレミアムレース・タイヤ領域にフォーカスし強化していくため、グローバルでグループ唯一のモーターサイクル用タイヤ生産拠点である那須工場において、モータースポーツで培った技術を投入し、生産能力の増強を実行する。同社グループの「モノづくりを極める」中核となる日本の生産拠点は、生産財・消費財それぞれの商品において、より生産難度の高いプレミアム商品を「創る」役割をグローバルで牽引している。これまでにも下関工場における鉱山・建設車両用タイヤの生産設備刷新や、栃木、彦根、防府、鳥栖の4工場における乗用車用プレミアム商品の生産能力増強を発表した。同社は、モーターサイクル用タイヤにおいても今回の増強を決定し、プレミアムビジネス戦略をさらに拡大するとしている。