カネカは8月8日、欧州での旺盛な需要に対応するため、Kaneka Belgiumで、変成シリコーンポリマー(製品名「カネカMSポリマー」)の生産能力増設を決定したと発表した。生産能力を年産1万t増強するもので、投資金額は約50億円、2024年6月の稼働を予定している。これにより生産能力は年産4万3000tになる。
欧州では、環境保護政策に基づく断熱改修促進や非加熱・省エネ工程化の流れを背景に弾性接着剤、シーリング材市場の需要の伸長が見込まれている。中でもカネカMSポリマーを基材とした接着剤やシーリング材は無溶剤、低温での作業性、良好な耐候性といった特長を持つことから、環境規制の強化にも対応し、大幅な伸びが期待される。同社は、引き続き差別化力のある新規ポリマーを市場投入するとともに、配合・アプリケーション技術も合わせた素材ソリューションを提供することで、新規用途市場を積極的に創出し、欧州でのさらなる事業拡大を目指す。
同社は、日本・欧州・米国・アジアの4拠点での生産体制を確立している。今後も旺盛な需要に対応するべくタイムリーに能力増強を行い、グローバル供給体制を強化し、トップメーカーとしての地位をより強固なものにしていくとしている。