カネカの2023年3月期第1四半期決算は、売上高は1927億3900万円で前年同期比17・4%増、営業利益は122億1200万円で同3・1%増、経常利益は147億5600万円で同37・1%増、四半期純利益は105億1800万円で同35・6%増となった。
マテリアルソリューションユニットの売上高は889億1900万円で同27・1%増、営業利益は107億5600万円で同15・5%増となった。
Vinylsはアジア市場の堅調な需要拡大が続いた。か性ソーダは海外市況が高値で推移し、収益増に貢献した。MODは欧米の建材用途などで需要の減速がみられるなか、価格転嫁を進めて収益を確保した。MSは、欧米での販売が順調に拡大した。生分解性バイオポリマー Green Planetは、日本での4月の「プラスチック資源循環促進法」の施行に伴い、使い捨てプラスチック削減への動きが加速し、需要が拡大している。
クオリティーオブライフソリューションユニットの売上高は450億円で同10・1%増、営業利益は46億円で同0・3%増となった。Foamのスチレン系発泡樹脂、押出し発泡ボードは、原燃料価格が上昇するなか価格転嫁を進めている。発泡ポリオレフィンは販売が低調に推移した。PVは、住宅向けの高効率太陽電池の販売が拡大した。また、ZEBの社会実装化の加速を背景に「シースルー太陽電池」や「壁面設置型太陽電池」の需要が拡大している。E&Iは、スマートフォン向けポリイミドフィルム、有機ELディスプレイ用ポリイミドワニス、TV向けアクリルフィルム用樹脂の販売が順調に推移した。アクリルフィルム用樹脂は、今後も需要が拡大することから生産能力増強を決定した。Fiberは、アフリカ向け頭髪製品の需要が堅調に推移し、難燃資材向けも欧米を中心に順調な販売となった。
ヘルスケアソリューションユニットの売上高は166億2300万円で同25・7%増、営業利益は38億5600万円で同66・9%増となった。
Medicalは国内、海外の症例数がコロナ前の状況まで回復し、ASO治療用などの血液浄化器およびカテーテルは販売が順調に拡大した。Pharmaは、バイオ医薬品ではカネカユーロジェンテックでのコロナワクチン受託製造が順調に進んだ。また、低分子医薬品における抗ウィルス薬の新規大型案件や抗体医薬品精製用のプロテインA担体の販売が業績に寄与した。
通期の連結業績予想は、売上高が7400億円で前期比7・0%増、営業利益が480億円で同10・2%増、経常利益が430億円で同5・3%増、純利益が280億円で同5・7%増を見込んでいる。