ランクセスは8月16日、気候保護への取り組みを前進させ、新たにスコープ3排出量に関する目標を設定したことを発表した。
同社グループは2050年までにサプライチェーンの上流から下流まで、バリューチェーン全体のクライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指す。同目標には、特に購入した原料からの排出、さらには物流、最終製品に至るまでの間接排出が含まれる。中間目標として、2030年までにスコープ3排出量を、2015年比で40%(CO2換算値で2万7000ktから1万6500ktへ)削減する計画となっている。
同社は2019年に、自社の製造プロセスから発生する直接排出(スコープ1)および外部エネルギー源による排出(スコープ2)について、2040年までのクライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指すという目標を設定し取り組みを進めている。
同社の気候目標はパリ協定に基づいて設定されており、今回、気候保護の推進を行う国際的に有名なSBTイニシアチブの認定を取得した。SBTイニシアチブは、気候変動問題などへの情報開示を推進する国際的な団体CDP、国連グローバル・コンパクト(UNGC)、世界資源研究所(WRI)、世界自然保護基金(WWF)の4団体によって設立された。SBTイニシアチブの検証において、排出削減に向けた同社の目標は有効とされ、地球温暖化を1・5度未満に抑えることへの貢献が認められた。この1・5度未満という温度は、気候崩壊を防ぐ境界であると考えられている。
マティアス・ツァハト同社CEOは、「気候変動を食い止めるためには、私たちの社会がクライメイト・ニュートラル(気候中立)へと転換していくことが必要であり、ランクセスはその役割を果たしたいと考えている。2019年に設定した、2040年までに直接排出および外部エネルギー源からの排出でクライメイト・ニュートラル(気候中立)を達成するという目標は、すでに非常に意欲的なものといえる。今回、さらなる目標をスコープ3排出量で設定することで、私たちはサプライヤーおよびお客様とともに次の段階へと進む」と述べている。