三洋化成、高吸水性樹脂開発 バイオマス原料を使用

2022年08月25日

ゴムタイムス社

 三洋化成工業は8月22日、同社の100%連結子会社であるSDPグローバルが、原料の一部に植物由来原料(バイオマス原料)を使用した高吸水性樹脂(SAP)を開発し、日本有機資源協会が認定するバイオマスマークを取得したと発表した。

 地球温暖化などの気候変動への対策が急務となる中、同社グループもカーボンニュートラルの実現に貢献するため、さまざまな取り組みに注力している。その一つが植物などのバイオマス原料の積極的な活用となる。バイオマス原料となる植物は、成長過程でCO2を吸収するため、ライフサイクル全体では排出量と吸収量を均衡させることになり、大気中のCO2量の削減につながると考えられている。また、有限な石油資源に代わり、再生可能な資源である植物を原料とするため、持続可能な循環型社会の実現に貢献することが期待されている。

 SAPは架橋構造をもつ親水性のポリマーで、自重の数百倍から千倍の水を吸収・保持する機能を持っている。高い吸水性や保水性を活かして、主に紙おむつなどの衛生用品の吸水材として使用されている。SAPの組成としては、アクリル酸部分ナトリウム塩からなるポリマーが主流だが、その原料は石油由来のプロピレンから作られるアクリル酸となる。SDPグローバルは、これまで蓄積してきた知見と独自のノウハウを生かして、原料の10%および25%にバイオマス原料を使用したSAPを開発し、日本有機資源協会が認定するバイオマスマーク(認定番号220085、バイオマス度10%、認定番号220086、バイオマス度25%)を取得した。また、サンプル供給体制も整えており、今後本格的にサンプルワークを進めていくとしている。

 

バイオマスマーク取得①

バイオマスマーク取得①

バイオマスマーク取得②

バイオマスマーク取得②

 

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