超高剛性OPPフィルム開発 東洋紡のパイレンEXTOP

2022年08月26日

ゴムタイムス社

 東洋紡は7月28日、一般的な二軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)の約1・7倍の腰の強さを持つ、超高剛性OPPフィルムの製品シリーズ「パイレンEXTOP」を新たに開発したと発表した。防曇タイプ、高耐熱タイプなどを取りそろえ、食品包装用途を中心に2022年秋より販売を開始する。

 近年、消費者の環境に対する意識が世界的に高まる中、包装材におけるプラスチック使用量の削減や、リサイクルに適したモノマテリアル(単一素材)化の推進に寄与するフィルム製品の需要が増している。

 「パイレンEXTOP」シリーズは、同社が長年培った製膜技術を駆使することで超高剛性を実現した。一般的なOPPフィルムと同等の腰感を維持しながら、フィルムの厚みを20%薄くすることができるため、プラスチックの使用量や、燃焼時の二酸化炭素排出量を削減することが可能となっている。また、一部の銘柄では、一般的なOPPフィルムよりも耐熱性を大きく向上させた。従来は他素材のフィルムが使われていた加熱処理が必要な用途にも使用できるため、PP素材だけで構成されるモノマテリアルの包装材の設計が可能になる。

 同社は、今年5月26日に公表した長期ビジョン「サステナブル・ビジョン2030」において、フィルムのグリーン化比率を2030年度に60%、2050年度には100%とすることを目標の一つとして掲げている。同社は今後、「パイレンEXTOP」シリーズの普及を通じて包装材の減容化・モノマテリアル化を促進し、循環型経済の実現に貢献できるよう努めていくとしている。

 同社は7月28日より、「パイレンEXTOP」シリーズをはじめとする同社環境対応フィルムを使用し、プラスチック使用量を従来比で一定以上削減している包装材について、環境に配慮した包装材であることを消費者に発信できるよう、同社オリジナルの「減プラマーク」を表示できる制度を開始する。

 

「減プラマーク」を運用

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