ゴム用機械特集 加藤事務所 機械の幅広い製品群の強み活かす 加藤産商と業務提携で売上増へ

2022年09月06日

ゴムタイムス社

 昨年で創立20周年を迎えた加藤事務所(東京都中央区、加藤進一社長)は、ゴム原材料をはじめゴム成形製品、ゴム用機械の販売を行う。
 販売するゴム用機械は、台湾機械メーカーの「ニーダーマシナリー」と「ジンダイ機械工業」を中心に、10製品の海外機械の取り扱いを行っている。これが同社の強みだ。最近では、ドイツの「Carl Zeiss(以下、カールツァイス)」と代理店契約を結び、カールツァイス製のタイヤ検査装置「ZEISS INTACT」の販売を開始。販売してから約2年ほどだが受注もあり、来期(2023年9月期)の売上に寄与しているという。
 加藤社長は「カールツァイス製の機械の営業は一年半かけ、ようやく営業活動が実を結んだ。さらに販売台数を増やしていきたい」と述べ、今後もユーザーのニーズにあった機械のラインナップを増やしていく方針だ。
 今期の需要を振り返ると、引き合いは増加傾向となっており、「お客様はポストコロナを見据えて動き出している。一時的だが、コロナ前の引き合いよりも増えてきた」(同)。また受注傾向として、「機械の拡張ではなく、今ある機械がいつ壊れるかわからないという老朽化対策として、受注につながっている」(同)という。ただ現在多くの機械メーカーが抱える課題として、半導体部品不足と納期の遅れは、同社も同じ課題を抱え、厳しい状況だ。
 最近のコロナ禍で同社は2つの取り組みに注力する。ひとつ目が、オンラインを活用した販売だ。ゴム用機械メーカーでは、同社はいち早くオンラインに切り替え、オンライン技術のノウハウを積み重ねてきた。今では仕様の打ち合わせから、機械設置や出荷前試運転など全てオンラインで対応しているほどだ。
 加藤社長は「オンラインを駆使すれば、コロナ禍で海外機械も輸入ができ調整できる」ため、販売促進につなげていきたい考えだ。また同社は積み上げてきたオンライン技術で機械の販売のコンサルティングも提供しはじめている。2つ目では、ゴムやプラスチック業界に携わる企業がカーボンニュートラルやSDGsの取り組みを加速していくなかで、同社はゴム機械も環境対策に対応していくことが必要と捉え、ユーザーに3つの提案を始めた。その3つが①省エネ型モーターの活用への提案、②リユースへの提案、③不良率低減への提案。加藤社長は「ゴム機械業界としては非常に新しい取り組みになる。今後は環境対策に対応するゴム機械を取り扱っていきたい」という姿勢を示す。
 今期の見通しは、半導体部品不足と納期の遅れなどの影響で、期をまたぐ案件もありながらも増収を見込んでおり、来期は今期よりもさらに売上が上回ると計画している。
さらに加藤産商と業務提携を締結したことで全国のゴム会社に販売できるようになり、売上増を見込んでいる。

加藤社長

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