特集1 基礎からはじめるゴム入門 高分子合成とゴム材料

2022年09月01日

ゴムタイムス社

*この記事はゴム・プラスチックの技術専門季刊誌「ポリマーTECH」に掲載されました。
*記事で使用している図・表はPDFで確認できます。

特集1 基礎からはじめるゴム入門

高分子合成とゴム材料

長岡技術科学大学 竹中克彦

1.はじめに
 高分子(Macromolecule)とは、国際純正および応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry : IUPAC)の定義によると「相対分子質量の大きな分子であり、その構造は基本的には実質的にも概念的にも相対分子質量の小さな分子から誘導された単位が多数繰り返した構造を有する。」とされている1)。
 また、脚注として「多くの場合(特に合成高分子において)、一個あるいは数個の繰り返し単位の増減があっても、物性にはほとんど影響しないとき、その分子は相対分子質量の大きな分子と見なされる。」と書かれている。定義なので曖昧さが残らないようにということで回りくどい表現で書かれているが、身近な例に置き換えて考えてみるとエチレン(CH2=CH2 分子量は28 g/mol)という分子が多数つながってポリエチレン-(-CH2-CH2-)n-ができている、と考えればよい。なお、エチレン分子には炭素炭素二重結合が含まれ、

 

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