NOKは9月1日、自動車電動化への対応を強化すべく、同社鳥取事業場内(鳥取県西伯郡)において、約5億円の設備投資を行うと発表した。2021年度から2023年度の3年で、電気自動車向け防振・防音製品を製造する設備を増設する。
同増設計画では、電動パワーステアリング(EPS)・ギヤ・ブレーキ等周辺に使用する防振・防音製品を製造する設備の増強を行う予定で、生産体制の強化に伴い、同社鳥取事業場において約20名の新規雇用を計画している。
同社のオイルシールやOリングなどのシール製品は、自動車をはじめ、建設機械や農業機械、住宅設備機器などの分野で採用されており、高いシェアを誇っている。
同社鳥取事業場では、シール製品の開発・製造の過程で培ってきた材料技術や製造技術をもとに、防振・防音製品の開発・製造を行ってきた。主力製品は、自動車エンジンのクランク軸の振動を低減するトーショナルダンパ(TVD)で、TVDのさらなるシェア拡大を目指している。その一方で、現在、電気自動車向けの防振・防音製品にも力を入れている。各自動車メーカーとの取引実績や防振・防音技術を生かして、電気自動車向け製品の受注獲得を加速し、エンジン車・電気自動車の双方でのシェア拡大を狙う。すでに自動車メーカー等と共同開発を行っており、現在、振動吸収やノイズ低減の機能を持つ製品の開発・生産体制を構築する計画を進めている。
同増設計画は、市場拡大が見込まれる電気自動車の中核部品の製造に向けた取り組みであり、先進性が高く、今後の成長・規模拡大に資する投資となる。この増設計画は、鳥取県より先進的な産業分野への投資として認定される予定で、「鳥取県産業成長応援補助金(成長・規模拡大ステージ)」による支援が予定されている。
今後もNOK鳥取事業場では、鳥取に根差す企業として、事業を成長させながら、地域経済の活性化と雇用創出に貢献すべく力を尽くしていくとしている。