イミド系エポキシ硬化剤開発 ユニチカ、耐熱・柔軟2タイプ

2022年09月05日

ゴムタイムス社

 ユニチカは9月1日、エポキシ樹脂に耐熱性と柔軟性を付与可能な新規エポキシ硬化剤を開発したと発表した。

 同開発品は、耐熱タイプと柔軟タイプを作り分けており、これらを併用することで、耐熱性と柔軟性を両立するエポキシ硬化物を得ることができる。また、東京都市大学との共同研究により、これらの開発品を用いることで、硬化物に高い絶縁性を付与することが可能となった。

 近年、IoT、5G、ADAS等の開発が進んでおり、エレクトロニクス部品は大容量・高速通信に対応すべく、あらゆる構成材料に対し高耐熱性・低誘電特性が望まれている。しかしながら、高耐熱性と柔軟性を満たすエポキシ樹脂は従来なく、高温領域での形状安定性(割れ・反り・剥離の防止)の保持が課題となっていた。そこで、同社では独自の製造プロセスにより、耐熱性と柔軟性を両立する新規エポキシ硬化剤を開発した。

 新たに開発した「イミド系エポキシ硬化剤」を硬化剤として用いることで、イミド成分をエポキシ樹脂に簡単に導入することができ、イミド基の効果でエポキシ硬化物の性能が向上する。同社は今回、分子構造を設計し、耐熱性、高靭性(高強度)、低誘電特性を付与可能な「耐熱タイプ」、柔軟性(低弾性率・高伸度)、低誘電特性を付与可能な「柔軟タイプ」の2種類の硬化剤を開発した。それぞれ単独での使用で特徴を付与することが可能だが、これらを併用することにより、耐熱性と柔軟性を両立させたエポキシ硬化物を得ることができる。

 また、東京都市大学との共同研究により、酸無水物系、アミン系といった他の硬化剤を使用したものに比べ、高温高電界下でも高い絶縁性を付与することが可能となった。

 同社が開発した「イミド系エポキシ硬化剤」は、エレクトロニクスをはじめとした幅広い分野において、エポキシ樹脂の耐熱性、柔軟性、誘電特性などの性能を向上したいといった要望に応えることができる。同社は今後、顧客との連携を強化し、研究開発を進めていくとしている。

 

イミド系エポキシ硬化剤

イミド系エポキシ硬化剤

性状及び硬化物の物性表

性状及び硬化物の物性表

 

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