三井化学は9月6日、同社と三井化学産資が、世界自然遺産応援プロジェクトの第4弾として、徳之島の岡前小学校(鹿児島県天城町)にて建築家の山下保博氏による建築及びデザインについてのワークショップを実施し、授業の中で実際に小学生がデザインしたベンチを5基製作、天城町役場、岡前小学校、天城岳松原登山道とクロウサギ観察小屋に寄贈したと発表した。同社は今回、その様子を収めた活動紹介動画を公開した。
鹿児島県から沖縄県の南西諸島にまたがる「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島(奄美・沖縄)」は、きわめて貴重な生物や生態系を有しており、2021年にユネスコ世界自然遺産として登録された。徳之島には、アマミノクロウサギやアマミアオガエルなど天然記念物や固有種、絶滅危惧種が数多く分布しており、生物多様性の保全にとって極めて重要な地域となっている。
今回、天城町の協力のもと、天城町立岡前小学校(徳之島)にて、3回の出前授業を実施した。まず3月には奄美大島出身の建築家である山下保博氏を講師に迎え、奄美建築及び建築やモノづくりに必要なコンセプト作りを学んだのち、実際にベンチのデザインをみんなで考えるワークショップを実施、子供たちは、みんなが幸せで100年すわれるベンチなどをコンセプトに、徳之島の伝統「闘牛」と希少動物である「アマミノクロウサギ」をモチーフとした絵を描いた。その後、山下氏がこの絵をもとに設計し、鹿児島県産のスギ材を使用したベンチを制作した。4月と6月のワークショップでは、三井化学産資の指導のもと、「木が呼吸でき、木の香りが匂いたつ木材保護塗料ノンロット」でベンチの塗装を施し完成させた。
木材保護塗料ノンロットは、木材が本来持つ通気性(調湿性)を最大限活かしながら、風雨をしのぐ超撥水性、耐UV性、防腐・防カビ・防虫性を有する安全性の高い塗料で、木の呼吸を妨げず、心地よい木の香りが感じられることから、多くの建築家・設計士から選ばれている。
製作したベンチは、天城岳登山道入り口、クロウサギ観察小屋、天城町役場と岡前小学校に設置され、訪れる人たちに徳之島の文化と伝統を伝えていく。