カネカは9月5日、旺盛な需要に対応するため、液晶TV向けアクリルフィルム用樹脂の生産能力増強を決定したと発表した。大阪工場(大阪府)の生産能力を約40%増強するもので、投資額は約15億円、プロセスの自動化などを進め、2023年秋の稼働を予定している。
近年、液晶パネルの大型化に伴い、偏光板の構成部材である偏光子保護フィルムの吸湿によるパネル反りや色ムラが課題となっている。そのため、アクリルなどの低吸湿樹脂フィルムの引き合いが増えている。液晶TVの大型化、高精細化、高輝度化が一層進む中で、アクリルフィルム用樹脂の需要はますます拡大すると見込まれている。
今後も同社は市場ニーズを捉え、優れた光学特性を有する独自の樹脂と高い信頼性を活かして事業拡大を図るとともに、高速情報通信(5G)を支える各種素材を積極的に提供していくことで、人々の快適なくらしに貢献していくとしている。